蒔田彩珠主演で村田沙耶香のベストセラー『消滅世界』実写映画化 脚本・監督は川村誠

蒔田彩珠主演で村田沙耶香のベストセラー小説『消滅世界』が実写映画化され、2025年秋に公開されることが決定した。
『消滅世界』は、累計発行部数170万部を超える芥川賞受賞作『コンビニ人間』直前の2015年に刊行された村田の長編小説。超少子化の先、「性」が消えゆく世界で激動する「恋愛」「結婚」「家族」のあり方に翻弄される若者たちを描き、「日本の未来を予言する小説」と評された。
物語の舞台は、人工授精で子どもを産むことが当たり前になった世界。そこでは、夫婦間の性行為はタブーとされ恋や性愛の対象は「家庭の外」の恋人か、二次元キャラというのが常識に。そんな世界で「両親が愛し合った末」に生まれた主人公・雨音は、母親に嫌悪を抱いていた。 家庭に性愛を持ち込まない清潔な結婚生活を望み、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねる雨音。 だがその“正常”な日々は、夫と移住した実験都市・楽園(エデン)で一変する。
MTV出身、RADIOHEAD、OASIS など国内外の様々なアーティストのライブやミュージックビデオ、CM、ショートフィルム、大河ドラマのドキュメンタリーなどを手がける映像ディレクター・川村誠が、脚本・監督を担当。本作が長編映画監督デビュー作となる。
主人公・雨音を演じる蒔田は「この物語を、初めはSFと感じる人が殆どなのではないでしょうか。私自身も、ありえない世界、経験するはずもない気持ちをどう表現するか、壮大なファンタジーをリアルに演じるには、と難しさを感じていましたが、そんな心配は必要ありませんでした。どんどん物語に引き込まれ世界観が変わっていき、これは未来の現実? とまで考えてしま いそうになる自分が怖くなりました」とコメント。
川村は蒔田の起用理由について「兼ねてより俳優としての蒔田さんの存在感と演技力に底知れないポテンシャルを感じていた」と明かす。蒔田は「今、当たり前と思っている現実は作られた ものであり、貫いているつもりの自己も危ういのではないか。脳内が刺激され、人生について深く考えさせられます。 観てくださったみなさんの感想が楽しみな作品です」と期待を寄せた。
共演者や公開情報などの詳細は後日発表される。
コメント
蒔田彩珠
この物語を、初めはSFと感じる人が殆どなのではないでしょうか。
私自身も、ありえない世界、経験するはずもない気持ちをどう表現するか、壮大なファンタジーをリアルに演じるには、と 難しさを感じていましたが、そんな心配は必要ありませんでした。どんどん物語に引き込まれ世界観が変わっていき、こ れは未来の現実? とまで考えてしまいそうになる自分が怖くなりました。
今、当たり前と思っている現実は作られたものであり、貫いているつもりの自己も危ういのではないか。 脳内が刺激され、人生について深く考えさせられます。
観てくださったみなさんの感想が楽しみな作品です。
川村誠
観る者が彼女から目を離せなくなる、 シーンを支配してしまうような引力——兼ねてより俳優としての蒔田さんの存在感と演技力に 底知れないポテンシャルを感じていました。
等身大の二十代女性の自然体の中に、 全ての村田作品の主人公から受け取れる「自らに刃を向けるような内省」を体現できる俳優。
探し求めていたのはこの方だと、初対面で直感しました。
現場に入り、物語を深いところで理解しながら感じたままに演じるその姿からは、一種の”憑依力”のようなものを感じました。
確かに雨音はそこに存在しました。
主人公のこの表情、この感情を描くために映画を撮ったのだ、と思える瞬間が幾度となく訪れました。
非常に難しいこの役柄に挑んでくださったことに心から感謝しています。
撮影現場で自分が目の前で感じた「演技で心揺さぶられる感覚」 ——その衝撃と感動を、スクリーンで味わっていただける日が今から待ち遠しいです。

■公開情報
『消滅世界』
2025年秋公開
出演:蒔田彩珠
原作:『消滅世界』(村田沙耶香著/河出文庫)
監督・脚本:川村誠
配給:NAKACHIKA PICTURES
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