藤原樹が俳優として初めて得た感覚とは? 中川龍太郎監督との初タッグ作の撮影裏に密着

撮影が行われたのは千葉県某所。裏社会の組織が拠点とする廃墟で、組織を裏切った神田が両手を縄で縛られ、黒部(カトウシンスケ)からいたぶられているシーンの撮影に立ち会った。上半身は何も身にまとわず、下着だけを身に着けた神田と、カップに入った麺をすすりながらも、非情に部下に指示を出す黒部の姿からは、単に暴力だけが存在するのではなく、黒部のフェティッシュな執着や欲望が感じられるようなシーンになっていた。
「今回、ひとつのテーマにしたのは60年代から70年代だったんです。学生運動に夢を見た若者たちがいて、日本をもっとこうしたいという志を持っていたけれど、挫折してしまった時代です。その先にあったのは、しらけやニヒルな世界。ドラマ『傷らだけの天使』(日本テレビ系)が放送されていたのも、『薔薇族』が発行されたのも70年代。アングラカルチャーも盛んで、三島由紀夫、澁澤龍彦、美輪明宏が世に出てきたのもその時代でした。黒部にも、そんな時代の空気感や、マルキ・ド・サドのイメージを重ねて演じてもらっています」(中川監督)

もうひとつ、この日の撮影では、神田が組織に立ち向かうアクションシーンの撮影もあった。普段からパフォーマーとして活躍し、映画や舞台でもアクションに挑戦してきた藤原だが、今回のアクションではまた違った感覚を得たと語る。
屋上に神田が乗り込み、数人の男性ともみあうシーンは、カットをほとんど割らずに撮影が行われていた。中川監督の提案で、次々と動きが新たにつけられていくが、藤原は一度聞いただけでその動きを把握。アクションチームとの見事な呼吸で、ほとんどNGなしで撮影は進められた。また、階段を使ったアクションも迫力満点で、モニターを見ていた監督も満足そうな表情を見せていた。

藤原は、アクションだけでなく、ダンスを披露するシーンもある。
「藤原さんって、どこか寡黙なイメージがあるんですけど、神田のキャラクターに関しても、口下手さを大事にしたんです。ダンスのシーンは、彼は言葉じゃなくて体でコミュニケーションするのがうまいと伝わるようにしました。『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』の3人のときもそうだったんですけど、藤原さんとも撮影が始まる前に食事に行って、連絡先を交換しました。外に見せているキャラクターとは違った、内面に持っているものをしっかりと知って、それを生かしてキャラクターを組み立てることができたらと。人間って、本来の自分を隠してるでしょ。だから、そういう本質の部分を見てもらいたいですね」(中川監督)
『欲望(蜘蛛の糸のように)』をはじめ、2カ月連続で『藤原樹にとらわれて』と題した特集が放送される。
■放送情報
【2カ月連続 藤原樹にとらわれて】
オリジナルドラマ『欲望(蜘蛛の糸のように)』(2025年)
日本映画専門チャンネルにて、4月4日(金)22:30〜ほか放送
出演:藤原樹、伊藤万理華、カトウシンスケ、田村亮
監督:中川龍太郎
脚本:井川広太郎、中川龍太郎
©日本映画放送
4月放送作品
『Rising Sun ~後戻りはしないOne Way Road~』(2024年)
出演:THE RAMPAGE
『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2023 “16” NEXT ROUND at OSAKA-JO HALL』(2023年)TV初
出演:THE RAMPAGE
5月放送作品
『あらばしり』(2025年)
出演:藤原樹(THE RAMPAGE)、西山潤、市川知宏、大倉空人、吉田健悟、青山凌大、後藤拓磨
原作・漫画:タクミユウ
企画原案:橘ケンチ、平沼紀久『あらばしり』(講談社「マガジンポケット」所載)
演出:長尾くみこ 伊藤彰記
脚本:ニシオカ・ト・ニール
『カストルとポルックス』(2023年)TV初
出演:藤原樹(THE RAMPAGE)、新谷聖司、田村升吾、山﨑晶吾、うえきやサトシ、龍(THE RAMPAGE)、中村誠治郎、北園涼、佐藤流司
原案・脚本・演出:佐藤流司
特設サイト:https://www.nihon-eiga.com/osusume/fujiwara-itsuki/






















