芳根京子はなぜ視聴者から愛される? 『まどか26歳』『波うら』納得の“2クール連続主演”

そして何より、典型的な“THE ヒロイン”を分かりやすく演じないことが、芳根の芝居の魅力だ。どんなに健気で明るいキャラクターであろうと、葛藤したり、悩んだりといった憂いの一面がある。そんな影の部分を、表情の変化やちょっとした息遣い、声色、身体の動きなどで繊細に表現する。役柄の二面性をしっかりと見せる芝居によって、キャラクターに奥行きが生まれているのだ。
この芳根の芝居の魅力は、さまざまな種類の役柄を経て培われたものだろう。第42回日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞した映画『累-かさね-』の累役で放った狂気的な負のオーラ、『海月姫』(フジテレビ系)の倉下月海役の内向的なヒロイン像、『真犯人フラグ』(日本テレビ系)の二宮瑞穂役でのパワフルながら、どこか怪しさの滲む存在感。『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系)では、妹の病に心を揺らす姉の心情を真摯に演じてみせた。さまざまな表現の引き出しを蓄えた上で、王道ヒロインを演じているからこそ、どんな役を演じてもリアリティがあり、人間性の奥深さを感じさせる。局をまたいだ2クール連続主演という事実こそが、芳根の演技力への信頼そのものと言えるだろう。

芳根は、2013年に放送されたフジテレビ木曜劇場『ラスト・シンデレラ』(フジテレビ系)で女優デビューを果たしている。また、『波うららかに、めおと日和』の監督は、『ラスト・シンデレラ』で監督を務め、『やまとなでしこ』(フジテレビ系)や『5→9~私に恋したお坊さん~』(フジテレビ系)などの恋愛ドラマを数多く手がけてきた平野眞。デビューした放送枠で、デビューした作品の監督との再タッグ。芳根にとって、俳優人生の一つの節目となる特別な作品になることだろう。相手役である瀧昌を演じる本田響矢は、本作が地上波プライムタイム初レギュラー出演。初共演となる2人が、作中の設定の通りに足並みを揃えて役に向き合っていくことで、作品に良い影響を与えることになりそうだ。
昭和という時代設定上、着物や割烹着、モダンガール風の洋装など、時代背景に沿ったファッションも注目の本作。芳根が磨いてきた演技力を味わいながら、ピュアな透明感が生かされたビジュアルも楽しめるドラマになるだろう。
■放送情報
『波うららかに、めおと日和』
フジテレビ系にて、4月24日(木)スタート 毎週木曜22:00~22:54
※初回15分拡大
出演者:芳根京子、本田響矢ほか
原作:西香はち『波うららかに、めおと日和』(講談社『コミックDAYS』連載)
脚本:泉澤陽子
プロデュース:宋ハナ
演出:平野眞
制作協力:FILM
制作著作:フジテレビ
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