岡田准一の武器はアクションだけではない 『ゲド戦記』で表現した“少年の成長”と“心の闇”

岡田准一のアクションにとどまらない表現力

 岡田准一が主人公・アレン役で声優を務める『ゲド戦記』(2006年)が3月7日に『金曜ロードショー』(日本テレビ系)でノーカット放送される。本作は、宮﨑駿の息子である宮崎吾朗が初めて監督を務めた長編アニメーションだ。圧巻の映像美もさることながら、岡田の他にも、手嶌葵、田中裕子、風吹ジュンら豪華俳優陣が声優としてキャラクターに命を吹き込んでいることに注目してほしい。

 物語の舞台は“アースシー”。そこは今や均衡を崩し、家畜は疫病にかかり、人間界に現れないとされていた竜が共食いを始めるなど混乱の最中にいた。エンラッドの王子・アレンはそんな世界に強い不安を感じ、ある時国王である父親を刺し殺してしまう。心を病むアレンだが、国を捨てて放浪していると、災いの原因を探る大魔法使い・ハイタカと出会い……。

 美しいファンタジー世界を描きながらも、“生きること”や“命”など本質的なテーマに真っ向から切り込む本作。観客の置かれた立場によって幅広い解釈の余地があるよう描かれており、一人ひとりの持つ「生きる」ことへの哲学に “問い”を与えるような作品であった。中でも一際輝くのが、岡田のじんわりと響く声の芝居だろう。岡田といえば、V6のメンバー(当時)として歌やダンスで活躍するほかにも、俳優として『木更津キャッツアイ』(2002年/TBS系)、大河ドラマ『軍師官兵衛』(2014年/NHK総合)など多数の話題作で主演を務め、高い評価を得てきた。

 さらには、『SP 警視庁警備部警護課第四係』(2007年/フジテレビ系)を筆頭に、『図書館戦争』(2013年)、『ザ・ファブル』(2019年)、『ヘルドッグス』(2022年)などでのアクションもまた多くの人々に注目される。2023年には世界最大規模のブラジリアン柔術の大会に出場するなど、演技のためだけでなく自らが競技者として特技を磨いているのだ。

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