『クジャクのダンス』鳴川=阿南の協力者? 怪しすぎる鳴川と神井の行動を振り返る

そしてもう1人、敵か味方がまだ確定し難い人物が、雑誌『週刊ジダイ』の記者・神井。彼は「東賀山事件」を追いかける記者で、友哉が信頼を置いている人物。

第6話では、赤沢(藤本隆宏)たちは染田と東賀山事件の関係性を隠蔽したつもりが、神井に情報が筒抜けで、さらに事件を担当した当時の赤沢の、自白を強要する強引な取り調べにも触れている。神井は遠藤親子の冤罪を証明するために、独自の調査や春生から直接聞いていたものを繋ぎ合わせ、タイミングを見計らって記事にしていると思われる。
ただ、その記事をカラビナ男が発売前に手に入れていたとなると、編集長が繋がっている可能性もあるが、神井側からカラビナ男に情報を売ったというケースも考えられる。とはいえカラビナ男&阿南が隠蔽したかった染田と東賀山事件の繋がりの記事なので、彼らの味方でもないだろう。ただ少なくとも、心麦=歌ではないかという情報までつきとめたほどの神井ならば、東賀山事件の担当弁護士や検事も調べているのは当然で、当時冤罪を判決を下した検察も調べ、それが鳴川だとしたら取材をしているはず。そうしたところで駆け引きやビジネスとして情報を交換しあう関係でもおかしくない。また、警察の情報が神井に筒抜けなのは、赤沢の部下・秋貞隆雄(絃瀬聡一)の時折見せる不穏な表情を見ていると、赤沢を老害として神井にリークしてそうな気がする。

気になるのが、松風に対し見下した態度がムカつくと喧嘩腰だった神井だが、何か弁護士に対して恨みを持っているのかということ。本作には不幸な生い立ちの人物が多いだけに、彼もまた父親に関して苦い思いをしているのだろうか。逆に父親が検事や弁護士で、人を見下した仕事っぷりに嫌気がさしている可能性も。実は本人もヤメ検だったり?
また、心麦=歌説を、DNA鑑定するほどしつこく追っているのも、真相を追う記者としての仕事ではあるが、誰からその情報を得たのか? 鳴川か? ただ東賀山事件の被害者である林川家と何か因縁があるのかもしれない。神井のようなタイプは裏切り者と見せかけて、主人公を助けるようなジョーカー的な役割を担いそうな気がするが、いずれにせよ友哉と春生の代弁者として、東賀山事件の裏側を公に晒していく人物として今後も重要な存在になりそう。今後も、鳴川と神井の動きに要注目して展開を見守っていきたい。
「このマンガがすごい!2024」にもランクインした浅見理都の同名漫画を実写化するヒューマンクライムサスペンス。クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫っていく。
■放送情報
金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:広瀬すず、松山ケンイチ、森崎ウィン、瀧内公美、絃瀬聡一、野村康太、清乃あさ姫、斉藤優(パラシュート部隊)、酒井敏也、酒向芳、藤本隆宏、西田尚美、仙道敦子、原日出子、リリー・フランキー、磯村勇斗
原作:浅見理都『クジャクのダンス、誰が見た?』(講談社『Kiss』所載)
脚本:金沢知樹
プロデュース:中島啓介、内川祐紀、丸山いづみ
演出:田中健太、青山貴洋、福田亮介、棚澤孝義
主題歌:Ado「エルフ」(ユニバーサル ミュージック)
製作:TBSスパークル、TBS
©TBSスパークル/TBS