タスクマスター不在の理由、ボブの正体とは? 『サンダーボルツ*』本予告のポイントを解説

『サンダーボルツ*』本予告を解説

 こんにちは、杉山すぴ豊です。ここ最近のマーベル、DCのアメコミヒーロー映画およびジャンル映画まわりのニュースや気になった噂をセレクト、解説付きでお届けします!

 今回は日本時間2月10日にスーパーボウル合わせで解禁となったマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)超大作『サンダーボルツ*』(5月2日日米同時公開)の本予告解説です。

なぜこのタイミングで予告編がリリースなのか?

 中身の説明の前になぜこのタイミングでの公開なのか、その事情を説明しましょう。全米時間の2月10日、スパーボウルが開催されました。スーパーボウルとは、プロアメリカンフットボールの組織NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の優勝決定戦で、米最大のスポーツイベントです。そしてそのTV中継は1億人以上が観ているとされます。そしてこのTV中継に合わせ、多くの企業が特別なCMを用意している。ハリウッドもここで勝負作の特別映像(予告編)を流すパターンも増えました。TV中継で予告編を解禁し、ネットでリリースするのが常です。というわけでMCUは『サンダーボルツ*』の本予告を持ってきました。さらに今週末=2月14日、いよいよ『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』が公開されます。その公開時につける予告編のお披露目という意味もあったのでしょう。

 また2月4日=February 4th=F4合わせで『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の特報をリリースしているので(事前の予測では、この『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の予告がスーパーボウルで流れると言われていた)、スーパーボウルでは『サンダーボルツ*』という戦略だったのかもしれません。

『サンダーボルツ*』とは?

 コミックにもサンダーボルツというチームは存在しますが、恐らく映画の方はMCUならではの設定でくると思うので、MCU版についてわかっていることを書きます。“ボルツ”と複数形からもわかるようにチームです。ただ、メンバーが曲者ぞろい。以下の6人です。

●バッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン):元ウインターソルジャー
●エレーナ(フローレンス・ピュー):ナターシャ・ロマノフことブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)の”妹”で彼女もウィドウ
●ジョン・ウォーカー/USエージェント(ワイアット・ラッセル):一時、政府が用意した新キャプテン・アメリカ
●アレクセイ/レッド・ガーディアン(デヴィッド・ハーバー):ロシアのキャプテン・アメリカ的存在。エレーナたちの”父”
●アントニア・ドレイコフ/タスクマスター(オルガ・キュリレンコ)
●エイヴァ・スター/ゴースト(ハナ・ジョン=カーメン)

 バッキ―は『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』、ゴーストは『アントマン&ワスプ』、タスクマスターは『ブラック・ウィドウ』のヴィランだったし、他のメンバーも訳ありのキャラ。つまりヒーローらしからぬ連中で組織されています。

 そしてこのチームを仕切る(?)のがヴァル(正式な名前はヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ/ジュリア・ルイス=ドレイファス)。映画『ブラック・ウィドウ』、ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』で怪しい動きを見せ、映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』でCIA長官であることがわかりました。彼女はニック・フューリー的役割とも言えますが、もっと腹黒いかな。さらにここにボブ(ルイス・プルマン)と呼ばれる青年が絡んできます。ここまでが第1弾予告編で明らかになっていました。そして今回の本予告でわかってきたこととは。

サンダーボルツが戦うのは恐るべき超人? そして“アベンジャーズ不在”

「サンダーボルツ*」本予告|5月2日(金)日米同時公開!

 この本予告からわかる大まかな流れは、NYをとてつもなく大きな脅威が襲います。黒いシルエットのスーパーマンのような超人で、人々を一瞬にして消去してしまう(ここはかなり怖いです)。そして街全体が闇のようなものに覆われる。この超人を排除するため、サンダーボルツが立ち向かう。この手の大きな危機の時はアベンジャーズの出番ですが、ヴァルが冒頭のシーンで「アベンジャーズは来ない」と言っている。

 ここで「アベンジャーズが来ない=THE AVENGERS ARE NOT COMING」ですが、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の予告編では大統領がアベンジャーズを再結成したいと、新キャプテン・アメリカであるサムに言っています。ということは考えられる可能性は3つで、①そもそも『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の時点でアベンジャーズは再結成されなかった、②『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』と『サンダーボルツ*』で描かれる事件はほぼ同時か実は『サンダーボルツ*』より先、③『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』で新アベンジャーズが結成されるものの早速大事件が起きてそっちに行っている。これが『アベンジャーズ:ドゥームズディ』につながる。です。

 で、この超人が恐らくボブが変異したヴォイドです(『ロキ』や『デッドプール&ウルヴァリン』の虚無空間=ヴォイドとは違います)。ざっと説明すると、コミックではボブことロバート・レイノルズは新たに作られた超人血清を盗み出し飲んで超人化するのです。ヒーロー“セントリー”となりますが、同時に、彼の心の中にあるダークサイドが暴走し魔人ヴォイドとなります。コミックでは、飛行能力もあり、ダークマターを操り、マンハッタンで多くの人々を殺したので、まさにこの予告に出てくる怪人と特徴が一致します。

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