『おむすび』“かわいい”をめぐるSNSの功罪 『うちのギャルさん』は書籍化の可能性?

『おむすび』“かわいい”をめぐるSNSの功罪

 医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、言語聴覚士など多職種が協力して、患者の栄養サポートを行う医療チーム・NSTに参加することになった結(橋本環奈)。一方で、夫の翔也(佐野勇斗)も新しい一歩を踏み出そうとしていた。

 NHK連続テレビ小説『おむすび』第19週が幕を開け、第91話では翔也が脱サラして理容師になりたいという思いを聖人(北村有起哉)に告げる。そんな翔也に聖人はある質問を投げかけるのだった。

 管理栄養士と同じく、理容師もなりたいと思ってすぐになれるものではない。理容師養成施設を卒業したのち、国家試験を突破して免許を取得する必要がある。翔也は星河電器を退職し、聖人の店で実務経験を積みながら、通信で3年間勉強しようと考えていた。経済的にも時間的にも、これまでより大変になるのは目に見えている。

 しかし、結も花(宮崎莉里沙)も翔也の夢には賛成で、協力する気満々。結が管理栄養士を目指しているとき、翔也も積極的に家事や育児をしてくれていた。そうやって結と翔也はいつだって支え合って生きてきたし、その精神はしっかりと花にも受け継がれているのだろう。花の送り迎えを心配する聖人をよそに、本人は「うちやったら大丈夫! もう小2やで」と、はつらつとしている。頼もしい限りだ。

 すると、最後に一つだけ確認させてほしいと聖人は「同情して床屋やるんとちゃうやろうな?」と翔也に問う。結も歩(仲里依紗)もすでに独立して、自分のやりたい仕事を立派に務めており、今のところ聖人の後を継ぐ人はいない。だから、聖人は翔也が気を遣って理容師になろうとしているのではないかと思ったのだ。

 そんな聖人に、翔也は「お手伝いして分かったんです。理容師ってお客さんの髪の毛だけじゃなくて素晴らしい仕事だって。だから、自分もやってみたいと思ったんです」と真っ直ぐな目で伝える。聖人も嬉しかったのではないだろうか。翔也は週に5日、朝10時から花の迎えに間に合う夕方4時まで聖人の店で働くことになった。自分がかつて師匠をそう呼んでいたように、「おやっさん」と翔也に呼ばれ、聖人は少し照れくさそうだ。

 翔也が働き出したことで少し手が空いた愛子(麻生久美子)はブログを更新する。先週から平成30年に突入し、舞台が私たちの生きる時代にどんどん近づいている本作。愛子が投稿に使っているツールもパソコンからスマホに変わり、ブログをSNSと連動するなど完璧に使いこなしている。そのSNSを通じ、白木淳一郎という男性と何やらコソコソとメッセージのやり取りをしている愛子。まさか浮気か……と思いきや、一瞬だけ映ったメッセージ文をよく見ると、「ブログの書籍化に興味はありませんか?」というお誘いだった。結が高校生の頃から続けている愛子のブログ『うちのギャルさん』が出版社の目に留まったのだ。

 今や私たちの生活に欠かせない存在となっているSNS。今回のこともそうだが、ギャルの投稿で孝雄(緒方直人)のカスタム靴に興味を持った東京のシューズブランドからコラボの依頼がきたり、歩の発信で客足が遠のいていたさくら通り商店街に活気が戻ってきたり、本作はこれまでSNSのポジティブな面を描いてきた。だが、ネガティブな面も当然ある。

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