『御上先生』でも話題の堀田真由に笑い、泣く 地上波初放送『翔んで埼玉』続編の注目点

『翔んで埼玉』続編の堀田真由にも注目したい

 滋賀解放戦線のメンバー・近江美湖を演じるのは、『御上先生』(TBS系)で国家公務員総合職の試験会場で起きた刺殺事件の犯人・真山弓弦に扮している堀田真由。近年、引っ張りだこの俳優として大注目の堀田は、滋賀県出身で地元愛が強いことで知られており、情報収集のために京都の料亭に舞妓として潜入する美湖をゲジゲジ眉毛姿で好演。ちなみに、京都人は滋賀県民を「ゲジゲジ」と揶揄したりするそうだが、車の滋賀ナンバーの文字がゲジゲジのように見えることから、ゲジゲジ呼ばわりされるらしい。

 そんな中、片岡が演じる大阪府知事の嘉祥寺晃が、ある恐ろしい計画を立てており、それに立ち向かう魁たちに麗が協力。滋賀県を守るために琵琶湖で大規模な作戦が繰り広げられるが、その際に美湖が滋賀県への愛を叫ぶシーンには、堀田の熱演も相まって、筆者は泣いてしまった。本作は大笑いするシーンがほとんどだが、グッとくるところもあるのが魅力。前作でも、加藤諒による埼玉愛を叫ぶシーンは何度観ても泣けてくる。

 NHK連続テレビ小説『おむすび』にも出演している藤原紀香は、嘉祥寺の妻である神戸市長役を演じているが、彼女は川﨑麻世が演じる京都市長と不倫中。実生活での夫・片岡の目の前で、川﨑とのラブシーンを演じた藤原には脱帽だ。また、藤原の“出身地詐称”をいじるという、爆笑シーンもある。

 一方、埼玉では麗から頼まれた百美が嘉祥寺の計画を阻止するために奮闘。埼玉県の“路線族”の協力を得ることになるが、これが武蔵野線開通に繋がっていく。このエピソードは面白いだけではなく、非常によく練られたストーリー展開で、見事としか言いようがない。ここも見どころの1つだ。

 筆者は、本作の公開直前に、たまたま滋賀県旅行をしており、琵琶湖汽船にも乗ったので、より感情移入しながら、笑って泣いて『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』を楽しんだが、滋賀県の道路への飛び出し防止の看板「とび太」や、琵琶湖の水がどのような役割を果たしているのかなど、本編で知ることも多かった。とび太の“活躍”も大きなポイントになっていて最高だ。本作で綴られる地元愛は、誰にでも刺さると思うし、本当に魅力的な作品なのでおすすめしたい。

 終盤では麗の出生の秘密が明かされ、それが滋賀県とどんなふうに繋がるのかが描かれる。終始、美しい麗になり切りながら、体当たりでギャグシーンを快演するGACKT。彼が前作同様、いや、それ以上に続編を盛り上げ、ラストまでバッチリとキメてくれている。ぜひ、3作目の制作も実現してほしい。まずは、地上波初放送の『土曜プレミアム』で、当記事で紹介した見どころをチェックしつつ、『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』を楽しんでもらえたら何よりだ。

■公開情報
映画『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』
フジテレビ系『土曜プレミアム』にて、2月8日(土)21:00~23:10放送
出演:GACKT、二階堂ふみ、杏、加藤諒、堀田真由、くっきー!(野性爆弾)、高橋メアリージュン、和久井映見、アキラ100%、朝日奈央、天童よしみ、山村紅葉、モモコ(ハイヒール)、川﨑麻世、藤原紀香、片岡愛之助 ほか
原作:魔夜峰央『このマンガがすごい!comics 翔んで埼玉』(宝島社)
監督:武内英樹
脚本:徳永友一
音楽:Face 2 fAKE
主題歌:はなわ『ニュー咲きほこれ埼玉』(ビクターエンタテインメント)
©2023映画「翔んで埼玉」製作委員会
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/movie/

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