止まらない洋画文化の衰退 遂に興行全体の4分の1以下のシェアに

止まらない洋画文化の衰退

 2024年の洋画は興収511億円(前年比69.8%)。映画興行全体のシェアは昨年の33.1%から大きく減って24.7%と、遂に4分の1を下回ってしまった。今回の映画産業概況に関する報道では、その要因として2023年のハリウッドのダブルストライキによる作品供給不足を挙げているものが多い。確かに、その影響は少なからずあったわけだが、だからといってそれが薄らぐであろう今年や来年、洋画のシェアが大幅に持ち直すことを信じている映画関係者はどれだけいるだろうか?

 日本だけでなく北米でも目立つようになった映画館のスケジュールの穴を埋めるための過去作の再上映は、この先も増えることはあっても減ることはないだろう。本コラムで再三書いてきたように、コロナ禍期を挟んで日本の映画マーケットは根本から変質して、コロナ禍期直後のダブルストライキを経てハリウッドのメジャースタジオは決定的に弱体化した。少なくともこの国で、洋画という文化は間違いなく衰退していくだろう。我々洋画文化に育てられた世代にできることがあるとしたら、そのスピードを少しでも遅らせることだけだ。

■公開情報
『366日』
全国公開中
出演:赤楚衛二、上白石萌歌、中島裕翔、玉城ティナ、稲垣来泉、齋藤潤、溝端淳平(友情出演)、石田ひかり(友情出演)、国仲涼子、杉本哲太ほか
inspired by HY「366日」
監督:新城毅彦
脚本:福田果歩
音楽:日向萌
原作:「366日」物語委員会
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、松竹
製作:映画「366日」製作委員会
©2025映画「366日」製作委員会
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/366movie/
公式X(旧Twitter):@366movie
公式Instagram:@366movie
公式TikTok:@366movie

『今週の映画ランキング』(興行通信社):https://www.kogyotsushin.com/archives/weekend/

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