『しかのこのこのここしたんたん』でシカ三昧! のこたん&こしたんになぜ惹かれるのか

『しかのこのこのここしたんたん』でシカ三昧

 シカ部の活動に浸りすぎて忘れられがちだが、実は生徒会の会長というこしたんの立場を狙って副会長の猫山田根子が暗躍し、書記の狸小路絹や会計の燕谷千春が引っ張り回されるドタバタ学園コメディとしての面白さも存分にあった。そこに加わるローカリズムという要素。鍵となっているのはもちろんシカだ。

しかのこ

 東京都内でありながら、河川敷にシカが出没することで知られる日野市が物語の舞台のモデルになっていることもそのひとつだが、奈良市の奈良公園であったり、広島県廿日市市の宮島であったり、茨城県鹿嶋市の鹿島神宮であったりと、全国各地のシカの名所がアイキャッチに挟まれ、「シカ色デイズ」の歌詞さながら、シカがすごく昔から日本に生息して、広く国民から崇められていることも教えてくれる。

 いわば神。そんなシカが主人公となった『しかのこのこのここしたんたん』に、誰もが引きつけられるのも当然だ。

しかのこ

 こしたんだって負けてはいない。マリアさまのような清楚な雰囲気を表面上は漂わせながら、内心に元ヤンキーとしての激情を持っていて、のこたんのちょっかいにそれを爆発させては取り繕うとするところがかわいらしい。注目は第3話。シカ部の部室に入りこんでいたシカをのこたんだと勘違いしつつ、オリジナルソング「それゆけ元ヤンこしたん」を歌って聴かせる場面の恥ずかしさは、TVアニメの歴史でもこれまでになかった激しさだった。

 このシーンについて、オーディオコメンタリーで藤田は、事務所のスタッフからも制作会社の人からも、「歌、大丈夫ですか?」と聞かれたらしい。キャラソンの範囲かと思っていただけに、どうしてそこまで心配されるか不思議だったが、実際は歌詞だけ渡され歌ってくださいというまさかのムチャぶり。その要求に見事に応えきった訳で、YouTubeでの再生回数が849万回(1月現在)という、こちらもとてつもない数字となったのも、世界が虎子の、そして藤田の音楽センスに感嘆したからだ。

 オーディオコメンタリーでは他に、もしもこの特典を収録したBlu-ray BOXが売れたなら、5周年なりのアニバーサリーで改めて超豪華版のボックスを作り、そこに“あるモノ”を特典として付けたいといった話もされている。いったい何を付けるのかは、実際にオーディオコメンタリーを聴いて確かめよう。

しかのこ

 特典映像には、こしたんのダンスだけが延々と続く「シカ色デイズ」イントロ耐久1時間ムービーも入っている。こちらも870万回(1月現在)という、やはりとてつもない再生数を叩き出した映像だ。Blu-rayならではの超高画質&超高音質で収録されていて、家で再生して、いっしょに踊ってみたくなる。いつか劇場で、応援ダンスOKの「シカ色デイズ」イントロ耐久1時間映像上映会が行われる時に備え、観ながら練習に励むのも悪くない。

 そうした特典より何より、全12話から成るどれもこれもがシュールでコミカルな本編を、好きなときに好きなエピソードの好きなシーンから楽しめるところが最高だ。観終わったら観終わったで、今度は全国各地のシカを訪ねて歩きたくなるだろう。TVアニメの第2期がいつ来るかも気になるところだが、今はとりあえずアニメでシカに浸り、名所でシカに触れる日々を送りながらその日を待とう。

■リリース情報
『しかのこのこのここしたんたん』
Blu-ray BOX発売中

<Blu-ray BOX>
価格:税込38,500円(税抜 35,000円)
仕様:2枚組 本編約300分+映像特典

【パッケージ仕様】
おしおしお先生 描き下ろしイラストジャケット

【映像特典】
・ノンクレジットOP
・ノンクレジットED
・スペシャルオーディオコメンタリー
 他

【封入特典】
「しかのこのこのここしたんたん」スペシャルブックレット

【店舗共通特典】
・「鹿出没注意」ダイカットステッカー

発売・販売元:VAP

※特典はなくなり次第終了となりますので、予めご了承ください。
※オリジナル特典実施店舗も対象となります。
※特典仕様・特典内容・デザイン等は予告なく変更となる場合がございます。
※各店、一部店舗を除きます。
※購入に関するお問い合わせはお求めの法人までお願いいたします。

©おしおしお・講談社/日野南高校シカ部

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