『おむすび』演出陣が絶賛する橋本環奈のリアクション力 “真夏の卒業式”撮影秘話も
NHK連続テレビ小説『おむすび』が現在放送中。平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)が、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、栄養士として人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。
第11週では、結や友人の沙智(山本舞香)、佳純(平祐奈)、森川(小手伸也)が揃って神戸栄養専門学校を卒業。第55話では、袴姿の女性陣とスーツ姿の森川が海岸沿いを歩きながら、それぞれのやり方で別れを惜しんだ。
沙智と佳純の憎まれ口にも愛があふれ、これまで共に学んできた月日を思わせる感慨深いシーンとなったが、第11週の演出を担当した大野陽平は「あの卒業式のシーンの撮影は、8月の一番暑い時期に行いました。さらに、専門学校のセットが立つ前に、学校生活ラストのシーンを撮らなきゃいけなかったんです」と驚きの事実を明かす。
「諸々のスケジュールの関係で仕方がなかったのですが、真夏に晴れ着なので、相当暑かったと思います。更に当日は申し分のない快晴で、演出としてはきれいな映像が撮れるので嬉しい限りなのですが、演者の皆さんにとっては相当過酷な状況でした」
なにより、4人揃っての撮影はまだ数えるほどしか行われていない段階。大野は「教室のシーンを撮影する前でしたので、4人の関係性も含めて逆算していかなければいけなくて。どういうふうに撮れば、それぞれのキャラクターらしさと、2年間共に過ごした変化を見せられるのか。4人の関係性の最終地点になるので、悩みながらも撮影に挑んだ記憶があります」と当時の心境を打ち明ける。
だが、「映像を編集してみて、改めてすごい役者さんたちだなと感じました」と、キャストたちの表現力を絶賛。「みなさんがしっかりと計算されて、あの関係性になっている。第8週から9、10、11週と見ながら作業をしていても、そこの変化がちゃんとお芝居の中に込められていて感動しました」と振り返った。
また大野は、就活シーンにおける橋本の“リアクション芝居”にも触れ、「面接で少し緊張しているときの表情をはじめとして、ちょっとした表情の変化や目・口元の動きが本当にバリエーション豊かで。撮っていて感服するばかりでした」と率直な思いを口にする。