『アオのハコ』千夏先輩に『冴えカノ』詩羽先輩 ラブコメに必須の“先輩ヒロイン”力

『アオのハコ』千夏など“先輩ヒロイン”

天真爛漫な学園のマドンナ! 『アマガミSS』森島先輩

アマガミSSシリーズ OP&ED COLLECTION 森島はるか編【アマガミSS10周年記念】

 先輩ヒロインの歴史はもっと昔まで遡れる。2010年に放送されたTVアニメ『アマガミSS』の森島はるかは、当時熱狂的な人気を博していた。

 同作は恋愛シミュレーションゲーム『アマガミ』を原作としており、さまざまなヒロインとの恋愛を描くオムニバスストーリー。第1話から第4話までの「森島はるか編」でメインヒロインとなり、主人公・橘純一と結ばれるまでの様子が描かれている。

 美しい容姿から学園のマドンナとして君臨する有名人だが、ふとしたきっかけで橘と話すようになり、徐々に距離が縮まっていく。そんな森島先輩の魅力といえば、なによりもお茶目で天真爛漫な性格にある。

 初対面でじっと顔を覗き込み、「あなた、かわいらしい目をしてる!」と言い放ったり、男友達と馬跳びしているところへ急に混ざってきたり、「もしかして、私のこと好きなの?」と単刀直入に聞いてきたり……。本人は無自覚だとしても、魔性の魅力と言わざるを得ないだろう。

 また、森島先輩は年下である橘のことを「キミ」と呼ぶのだが、その様子は“先輩度”がかなり高い。しかもその声を人気声優・伊藤静が担当していることによって、破壊力がさらに増している。

 なお、第2期にあたる『アマガミSS+plus』では、2人が“付き合い始めた後”のエピソードが描かれており、存分にイチャイチャする姿を拝むことができる。

ひたすらポンコツな『手品先輩』の先輩

TVアニメ「手品先輩」|OPノンクレジット映像

 星の数ほどいる先輩ヒロインのなかでも、とびきりの変わり種が登場するアニメ、それが2019年に放送された『手品先輩』だ。

 同作の物語は、部活探しをする新入生の主人公が「奇術部」の見学に立ち寄ったところから始まる。そこで待ち受けていたのは、マジシャンの格好をして手品の練習にはげむ「先輩」だった。しかし彼女は極端なアガリ症らしく、主人公の目の前で嘔吐し始める……。

 「先輩」はひたすらにポンコツで、いくら手品に挑戦してもろくに成功せず、常識では考えられないような失敗を連発してしまう。そして縄抜けしようとして自分の身体を縛ってしまうなど、セクシーなハプニングにもつれ込むことも少なくない。

 一応、彼女自身は向上心に燃えており、主人公に対して先輩の威厳を示そうとするのだが、それがかえって情けなさに拍車をかけている。本渡楓による勢いのある演技も相まって、唯一無二の愛され系先輩ヒロインとなっている印象だ。

 今回は4人のキャラクターを紹介してきたが、「年上ならではの余裕」や「肉食系のスキンシップ」、「ポンコツ」など、そこにはさまざまな魅力がある。学園もののアニメが作られるかぎり、先輩ヒロインの数も増え続けるはずなので、今後はどんな斬新な属性が追加されていくのか注目していきたい。

■放送情報
TVアニメ『アオのハコ』
TBS系にて、毎週木曜23:56〜放送
Netflixにて先行配信
各配信サイトにてTV放送終了後に順次配信
キャスト:千葉翔也(猪股大喜役)、上田麗奈(鹿野千夏役)、鬼頭明里(蝶野雛役)、小林千晃(笠原匡役)、内田雄馬(針生健吾役)ほか
原作:三浦糀(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
監督:矢野雄一郎
キャラクターデザイン・総作画監督:谷野美穂
シリーズ構成・脚本:柿原優子
色彩設計:今野成美
美術監督:藤井王之王
撮影監督:川下裕樹
編集:笠原義宏
音響監督:明田川仁
音楽:大間々昂
クリエイティブアドバイザー:モギ シンゴ
企画プロデュース:UNLIMITED PRODUCE by TMS
アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム
オープニングテーマ:Official髭男dism「Same Blue」(IRORI Records / PONY CANYON)
エンディングテーマ:Eve「ティーンエイジブルー」(TOY'S FACTORY)
©三浦糀/集英社・「アオのハコ」製作委員会
公式サイト:https://aonohako-anime.com/
公式X(旧Twitter):@aonohako_PR
アニメ公式TikTok :@aonohako_PR

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