『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の黒幕は誰? 予告編を徹底解説
こんにちは、杉山すぴ豊です。ここ最近のマーベル、DCのアメコミヒーロー映画およびジャンル映画まわりのニュースや気になった噂をセレクト、解説付きでお届けします! 今回は先日公開されたMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)最新作『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025年2月14日日米同時公開)の予告編解説です。
この予告編はブラジルのサンパウロで開催されたディズニーファンイベント「D23 ブラジル」にてポスタービジュアルがお披露目され、同タイミングで世界中に解禁になりました。
本作はキャプテン・アメリカ映画としては4作目であり、ディズニープラスのドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』のその後を描くものです。『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』で、キャプテン・アメリカを正式に襲名することになったサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)の冒険を描きます。
まず最初にこの予告編の見どころは、前の特報でチラ見せされていたレッドハルクの姿がはっきり見えることです。ハリソン・フォード演じるロス大統領が変身したものです。
本作のキービジュアルも、レッドハルクのパンチをキャプテン・アメリカが盾で受けている迫力あるビジュアルです。ちなみにこれは、1978年発行のキャプテン・アメリカ誌230号の表紙へのオマージュと思います。230号は緑色のハルクとスティーブ・ロジャースのキャプテン・アメリカの戦いでしたが。
このレッドハルクのフィーチャーぶりからもわかるように、このキャラが重要な役割であることは間違いありませんが、本作のメインヴィランではないと思います。というのも、この予告編からわかるように何か大きな陰謀が動いていて、その中でサムたちが翻弄され、かつロス大統領はなんらかの理由でレッドハルクにならざる負えない状況になるのではないでしょうか。となるとその理由が気になりますね。
コミックでは、ロスがレッドハルクになるのは、ハルクやハルク系の怪人アボミネーションに対抗するためです。ヴィランたちにそそのかされ、レッドハルクの力を手に入れるという展開ですが。そして、ハルクがガンマ線で力を得たのに対し、ガンマ線と宇宙線から変異したので緑色でなく赤色になったという設定のようです。
ただ『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』には、いまのところマーク・ラファロ演じるブルース・バナー/ハルクは登場しない、要はハルク要素のない物語でなぜレッドハルクが生まれるのか? 本作には、ティム・ブレイク・ネルソン演じるサミュエル・スターンズというキャラが登場するのです。1分27秒目あたりのセリフとこの電話をかけている、黒幕っぽい人物がそれかな? このサミュエル・スターンズは、2008年のMCU2作目『インクレディブル・ハルク』に登場した人物であり、コミックでは頭脳がハルク化しリーダーというマッドサイエンティスト系のヴィランになるのです。そしてコミックのほうではレッドハルク誕生にも関わりがあります。従って、映画でも彼がロスのレッドハルク化に関わっているのでしょう。この予告の1分30秒目ぐらいのところで、ロス大統領が1人なんらかの施設みたいなところにいますよね。ここでレッドハルク化へのプロセスに進むのでしょうか?
さて、レッドハルクに目がいってしまいましたが、このキャラ以外の部分に注目すると、本作のトーンがサスペンスアクションを志向しているのがよくわかります。キャプテン・アメリカ2作目で名作と言われる『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』を彷彿させます。ストーリーは陰謀また陰謀。そして画面を2分割した予告編の作りには緊張感があります。
一方、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』はリアルな肉弾戦アクションが見どころでしたが、この映画ではサムの人工翼で戦闘機や投げつけられる車を切断するという、これぞヒーロー映画的な見せ場がいっぱいです。サムは劇中、2パターンのコスチューム姿をお披露目しているのかな。ヘルメットがナノ・テクノロジーで自動装着される白いバージョン、そしてスティーブ・ロジャースのキャプテン・アメリカを思わせるバージョンです。