『スロウトレイン』で再タッグ 星野源と野木亜紀子の“特別な関係”が生む上質なエンタメ

野木亜紀子は星野源にとっての特別な作家だ

 『逃げるは恥だが役に立つ』では大真面目で「プロの独身」を自負する地味めなサラリーマンを、『MIU404』と『ラストマイル』ではクールな刑事を、『罪の声』では“ある過去”を背負った男性を演じてきた星野。彼が参加した野木作品だけでも、その多才さに触れられるというものだ。タッグを重ねているからといって、同じようなことを繰り返したりはしない(志摩一未という同じキャラクターを演じている『MIU404』と『ラストマイル』は例外)。むしろタッグを重ねるたび、野木の脚本は星野の新たな一面を視聴者/観客の前に引き出してみせてきた。と同時に、星野は野木が描く物語をより立体的に、人間の血が通ったものにしてきた。そんな流れがあったのだから、面倒な作家・百目鬼見に期待せずにいられないのは当然のこと。おそらく、いや間違いなく、俳優・星野源が体現するまったく新しいキャラクターなのだろう。

 いまや日本中の誰もが知るとおり、星野といえばマルチな才能を持つエンターテイナーだ。映画やドラマで役を演じ物語を創出するだけでなく、音楽はもちろんのこと、文筆業や話芸でも私たち大衆を魅了し続けている。私たちの日常において彼の存在はなくてはならないものであり、事実、その存在に触れない日はほとんどないのではないだろうか。だからつい勘違いしてしまうのだが、そのキャリアに対して映画やドラマの出演作は決して多いわけではないのだ。2020年代に入ってからは、数作にしか出演していない。

 そんな星野がタッグを重ねていることを考えると、彼にとって脚本家・野木亜紀子は特別な作家なのだろう。いや、実際に私たちはこの脚本家と俳優の特別な関係が生み出す上質なエンターテインメント作品を、いくつも目の当たりにしてきた。2025年が楽しみである。

■リリース情報
新春スペシャルドラマ『スロウトレイン』
TBS系にて、2025年1月2日(木)21:00〜放送
出演:松たか子、多部未華子、松坂桃李、星野源、チュ・ジョンヒョク
脚本:野木亜紀子
プロデューサー:小牧桜
スーパーバイジングプロデューサー:那須田淳
協力プロデューサー:韓哲、益田千愛
演出:土井裕泰
©TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/slowtrain/
公式X(旧Twitter):@SlowTrain_TBS
公式Instagram:@SlowTrain_TBS

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