北川景子がエンタメ界の礎を築いた興行師に 山崎豊子原作ドラマ『花のれん』放送決定
北川景子が主演を務めるテレビ朝日ドラマプレミアム『花のれん』が、2025年に放送されることが決定した。
『白い巨塔』『華麗なる一族』『不毛地帯』『大地の子』などのベストセラー小説で知られる作家・山崎豊子。本作は、山崎の“生誕100年”を記念し、初期の代表作であり、直木賞受賞作でもある『花のれん』を、北川主演で完全ドラマ化するヒューマンドラマ。明治~昭和という激動の時代、“女性プロデューサー”の先駆けとして道を切り拓いた稀代の女性興行師・河島多加の生涯を描く。
21歳のとき、大阪・船場の呉服店に嫁いだ主人公・多加。しかし、怠け者の夫・吉三郎は花街、寄席通いに明け暮れ、経営は傾く一方だった。「いっそ、道楽を本業に」と多加が勧めたのをきっかけに吉三郎は場末の寄席小屋を買い、夫婦で寄席商売をはじめることに。ところが、吉三郎は愛人を作った末にあっけなく他界。多加は亡き夫が遺した借金のため、より一層、寄席に注力。持ち前の根性と商才で小屋を拡大し、大阪の街に笑いというエネルギーを届けていく。そんな中、多加は窮地を救ってくれたある男性客に淡い恋心を抱くことになる。
原作は、山崎が吉本興業の創業者・吉本せいをモデルに、ショービジネスに人生を捧げたひとりの女性を描いた小説。せいをモデルにした多加は、今でいう“オーディション制”をいち早く採り入れ、“物販”でファンを獲得して勢力を拡げるなど、現代のエンタメ戦略の土台を作り上げた“日本エンターテインメント界の母”ともいうべき人物だ。
もともと山崎作品の大ファンで中学時代に読みふけったという北川は「まさか自分が山崎先生の作品に出演できるなんて……と驚きましたし、うれしかったです」と喜びを告白。
本作では21歳から晩年まで多加の40年の半生を演じるため、「朝、子ども時代の久男と遊ぶシーンを撮影したと思ったら、夜には成長した久男に召集令状が舞い込む辛い場面を撮るなど、朝夕で一気に年齢を重ねるような状況があるので、毎日が“激動”です。1シーンごと体当たりで挑むのが精一杯の日々ですが、それだけ多加の人生が濃密だったんだなと……。また、演じていて感じるのは、多加はとても強い女性だなということ。演じながら彼女に励まされ、勇気をもらっているような気がします」と撮影の様子を語った。
そんな多加の生涯を描いた本作について、北川は「女手ひとつで寄席を大きくしていった商売人としての顔と、妻としての顔、また母親としての顔、女性としての生きざま、いい塩梅で描かれたヒューマンドラマです。涙あり笑いありのあっという間の2時間になると思います」とアピール。
脚本を手がけるのは、映画『Dr.コト―診療所』、『友情~平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」~』(テレビ朝日系)、『Destiny』(テレビ朝日系)などの吉田紀子。北川とは『みをつくし料理帖』(テレビ朝日系)でタッグを組んだ間柄だ。
吉田は「まさか、私に山崎豊子さん原作のドラマ依頼が来ると思わなかったので、正直ちょっと驚きました。山崎先生独特の、けれん味あふれる作品は、視聴者としては面白く拝見していますが、いざ自分が脚色するとなると、かなりの力技が必要だなと、覚悟をして臨みました」とオファーを受けた際の決意を語るとともに、「激動の時代に翻弄されながらも、“お笑いの世界”で、女ひとり、興行師として、ぶれずに真っすぐ生きて行く多加というたくましくもかわいらしい女性を、北川景子さんがどう演じてくれるのか。お楽しみいただければと思います」とメッセージを寄せた。
北川景子(河島多加役)コメント
オファーを受けたときの心境
私は元々、『大地の子』や『二つの祖国』など山崎豊子先生の作品の大ファンなんです。実は両親も先生の作品が好きで、実家には文庫本が揃っていたので中学時代、夢中になって読んだことを覚えています。だからオファーをいただいたときは、まさか自分が山崎先生の作品に出演できるなんて……と驚きましたし、とてもうれしかったです。
河島多加という役柄を演じて感じること
彼女の人生の“濃さ”ですね。この作品で私は多加の40年間の半生を演じるのですが、朝、子ども時代の久男とかるたで遊ぶシーンを撮影したと思ったら、夜には成長した久男に召集令状が舞い込む辛い場面を撮るなど、朝夕で一気に年齢を重ねる状況があるので、毎日が“激動”です。1シーンごと体当たりで挑むのが精一杯の日々ですが、それだけ多加の人生が激動かつ濃密だったんだなと感じています。
演じていて感じるのは、多加はとても強い女性だなということ。特に夫亡きあと、息子を育てながらひとりで寄席を拡大していったところは気丈でタフだなと思いますし、明るく前向きな女性なので演じながら彼女に励まされ、勇気をもらっているような気がします。
演じる上で心がけているところ
多加は大阪・船場の商人なので、まずは船場ならではの言葉を忠実に表現したいという思いがあります。今回、船場の言葉を初めてきちんと勉強したのですが、私たちが知っている大阪弁でもなく、京都の言葉とも違って、初めて聞くイントネーションもありました。船場の言葉は多加という女性を演じる上で大切な要素ですので、そこはできるだけ丁寧にやりたいと思って気をつけています。あとは、この作品は京都で撮影する正当派時代劇でもありますので、伝統美、形式美をしっかり表現するため、お芝居とは別に所作や佇まいにも気をつけています。
東映京都撮影所での撮影にあたり、京都で楽しみにしていること
とにかく撮影所での撮影が楽しいですね。私は時代劇が大好きなのですが、セットも小道具も、この京都の撮影所で撮影できるのが本当にうれしくて、スタッフの皆さんと久しぶりにお会いするのも楽しみでした。あとは時間ができたら、大好きなおうどんのお店に行きたいぐらいですね(笑)。
視聴者へのメッセージ
私が演じる多加は、“日本のエンターテインメントの母”とよばれる吉本せいさんがモデルだといわれています。女手ひとつで寄席を大きくしていった商売人としての顔と、妻としての顔、また母親としての顔、女性としての生きざま、いい塩梅で描かれたヒューマンドラマです。涙あり笑いありのあっという間の2時間になると思います。ぜひたくさんの方に見ていただきたいですね。
吉田紀子(脚本)コメント
脚本を執筆することが決まったときの心境、執筆の際に意識したこと
まさか、私に山崎豊子さん原作のドラマ依頼が来ると思わなかったので、正直ちょっと驚きました。山崎先生独特の、けれん味溢れる作品は、視聴者としては面白く拝見していますが、いざ自分が脚色するとなると、かなりの力技(ちからわざ)が必要だなと、覚悟をして臨みました。
原作は、主人公・多加の一代記。結婚前(明治時代)から、亡くなるまで(第二次世界大戦後まで)の長いスパンの話です。それを、2時間にどうまとめていくか。結婚、出産、破産、夫と二人三脚で始めた寄席、その夫との死別、その後、女ひとりで寄席を切り盛りし、成功し財を成し、だが、その財産を、戦禍によりすべて失ってしまう。まるで、『風と共に去りぬ』のような話だなと……。
背景にある“笑いの歴史”も押さえておかなければならなかったので、落語や色物、漫才についても史実を調べた上で、執筆にかかりました。
また、多加という仕事をもつ女性の生き様、キャラクターをどう表していくか。多加の中にある、今の世の中で薄れつつある“情”の部分を強調したいと思いました。“大阪女の情”を。
北川景子の印象、期待していること
『目力の強い、真っすぐな人』という印象です。吸い込まれそうに美しい目ですよね。20代から60代までの多加の変化を、どう演じてくださるのか。どんどんたくましく強くなっていく多加の、特に晩年が、楽しみです。また、多加には、大阪人独特のおちゃめな部分、かわいらしいところもありますので、そこも楽しみです。
視聴者へのメッセージ
明治、大正、昭和という激動の時代に翻弄されながらも、“お笑いの世界”で、女ひとり、興行師として、ぶれずに真っすぐ生きて行く多加というたくましくもかわいらしい女性を、北川景子さんがどう演じてくれるか。お楽しみいただければと思います。
■放送情報
テレビ朝日ドラマプレミアム『花のれん』
テレビ朝日系にて、2025年放送
出演:北川景子
原作:山崎豊子『花のれん』(新潮文庫刊)
脚本:吉田紀子
ゼネラルプロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)
監督:竹園元(テレビ朝日)
プロデューサー:竹園元(テレビ朝日)、土田真通(東映)、百瀬龍介(東映)、丸山真哉(東映テ レビプロダクション)
企画協力:一般社団法人山崎豊子著作権管理法人、新潮社
制作:テレビ朝日、東映
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