松下洸平の“新規”を生み出し続ける人間臭さ 『スカーレット』から『放課後カルテ』まで

松下洸平は“新規”を生み出し続ける俳優

 なぜここまで役柄を魅力的に見せることができるのか。それはどんな役をやっていても松下自身の温かみがにじむからではないだろうか。ドラマというフィクションのなかのキャラクターで現実には存在しないにもかかわらず、松下が演じると人間らしい温度が感じられるのだ。『#リモラブ』のアオちゃんも、『最愛』の大ちゃんも、『最高の教師』の蓮も、実際には存在しない。にもかかわらず、「いるかもしれない、いてほしい」と願ってしまう。どんなキャラクターを演じていても、そのままの役柄で日常にいてほしいと思わせるほどのリアリティがセリフ回しや表情、所作から生まれるのだ。

 そして、その人間臭さを負の方向にも作用させることができるのが松下の強み。『MIU404』(TBS系)第2話の加々見役をはじめ、松下は殺人に手を染める犯人役を演じたことも。人間らしさをきちんと表現できるからこそ、マイナスな感情に囚われ、戻れないところまで進んでしまった人間の冷たさや恐ろしさを演じることも得意なのだ。死んだ感情を表現する芝居に驚かされることも多く、どんな役もやはり沼だと言わざるを得ない。

 『放課後カルテ』で松下が演じる牧野は、これ以上ないほどに無愛想な性格のキャラクター。それでも、第1話の牧野先生の言葉のニュアンスには、ぶっきらぼうな態度のなかにある優しさがしっかりと感じられた。牧野の素っ気ない態度と、児童たちとしっかり向き合う目線のギャップによって、牧野先生沼と『放課後カルテ』新規が生み出されるのだろう。

■放送情報
土ドラ9『放課後カルテ』
日本テレビ系にて毎週土曜21:00〜放送
出演:松下洸平、森川葵、ホラン千秋、平岡祐太、高野洸、六角慎司
原作:日生マユ『放課後カルテ』(講談社『BE・LOVE』所載)
脚本:ひかわかよ
演出:鈴木勇馬ほか
音楽:得田真裕
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:岩崎秀紀、秋元孝之、大護彰子
協力プロデューサー:大平太
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/houkagokarte/
公式X(旧Twitter):https://x.com/houkagokartentv
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公式TikTok:https://www.tiktok.com/@houkagokarte_ntv

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