新谷ゆづみ、“大人”になって変化した役との向き合い方 「今はとにかく何でも挑戦したい」
伊藤健太郎を主演に迎え、新田たつおの名作漫画を実写映画化した“令和版”『静かなるドン』が帰ってきた。昼はサラリーマン、夜は暴力団の総長という2つの顔を持つ主人公・近藤静也(伊藤健太郎)の新たな闘いを描く『静かなるドン2』の前後編が公開中だ。
本作でヒロインの女子高生・彩子を演じるのは、元さくら学院の生徒会長・新谷ゆづみ。グループ卒業後、本格的に俳優業をスタートさせた新谷は、9月から本作に加え、『とりつくしま』(9月6日公開)、『ナミビアの砂漠』(9月6日公開)、『追想ジャーニー リエナクト』(10月18日公開)と出演作ラッシュが続いている。そんな彼女に役者としての現在地と未来について語ってもらった。
“リアリティ”を生み出す新谷ゆづみの役作りとは?
ーー『静かなるドン』はいわゆる“任侠もの”と呼ばれるジャンルですが、今までこういう作品を観たことはありましたか?
新谷ゆづみ(以下、新谷):何本か観たことはあって、令和版の『静かなるドン』も実はオーディションの話をいただいたときに、たまたま配信で観ていたんです。過去の作品もオーディションを受けるにあたってチェックしたんですが、そっちはやっぱり激しいシーンも多くて。令和版はそれよりもマイルドになっていて、コメディ色も強いので、これなら自分にも挑戦できるんじゃないかと思ってオーディションを受けました。
ーー新谷さんが言うように、過去作とはかなりトーンが違いますよね。主演を務める伊藤さんの通常モードとアクションモードの切り替えも流石の一言ですが、現場での印象はいかがでしたか?
新谷:伊藤さんは優しい方で、デザイン会社で働いている昼間の静也に雰囲気が近いんです。でも、アクションシーンになるとものすごく機敏に動かれるので、そのギャップがカッコいいなと思いながら見ていました。
ーー彩子は昼間の静也に心を惹かれる“ツンデレ”の女子高生ですが、お二人のやりとりも楽しくて新谷さんのアニメチックなキャラクター表現に感心させられました。
新谷:演じる上で、それがすごく難しかったんです。普段は身近な人を参考にして役作りすることが多いんですけど、ツンデレの女の子って実生活ではあまり見ないじゃないですか。最初はアニメのツンデレキャラを参考にしてみようと思って調べたりもしたんですが、それをそのまま実写でやると違和感が出てしまうのでバランスが難しいなって。監督の鳴瀬聖人さんともかなり話し合って、ツンデレキャラを現実に成立させられるように頑張りました。特に、前編で静也と一緒にパフェを食べているときの目線の動きにはこだわりましたね。
ーー普段は身近な人を参考に役作りされているとのことですが、ご自身で取材されることも?
新谷:自分の演じる役に似ているなって思う人がいる場合は、実際に会って話を聞くこともありますし、話を聞かないまでも、その人の普段の行動を思い返してみたり、あの人だったらこうするかなって想像したりして、役を膨らませることが多いです。身近にそういう人がいない場合は、既存の映像作品に出ているキャラクターを参考にすることもありますね。
ーー新谷さんが演じられるキャラクターは毎回リアリティがあるなと思っていたんですが、お話を聞いて理由がよくわかりました。その中でも今回はこれまで演じてこられた役とはまた異なり、銃を撃つ場面もありますが、感想としては?
新谷:殺陣の稽古はやったことがあるんですが、銃を扱うのは初めてで。アクションシーンを間近で見るのも今回が初めてだったので、想像以上の迫力にビックリしました。それを見てからの銃を撃つシーンだったので、「私も戦わなきゃ!」という気持ちがより駆り立てられました。あのときはリアルに追い込まれている感があったと思います。
ーー率直にまたガンアクションをやってみたいと思いますか?
新谷:今回は女子高生だし、咄嗟に……というシチュエーションだったので、慣れすぎていると逆におかしいのかなって思って、初めて銃に触れる感覚を大事にしたんですが、実際に持ってみると、もっと上手く扱えるようになりたいなって思いました。
ーーこれまでミリタリー映画やアクション映画にご興味は?
新谷:憧れはありました。海外の女優さんがハードなアクションシーンをやってると、カッコいいなと思いますし、尊敬します。日本の作品でも先日からNetflxの『極悪女王』を観ているんですが、出演しているみなさんが体を鍛え上げてリアルに女子プロレスラーを演じていらっしゃるのがすごいなって。私はかなり影響を受けやすいので、いつか自分もこういうアクションに挑戦してみたいなって思いました。