朝ドラ『おむすび』で描かれるギャルマインド 徹底して自分の“好き”を貫くことの象徴に
米田家の呪いが発動し、うっかり苦手なギャルを助けてしまった結(橋本環奈)。それをきっかけに博多ギャル連合(ハギャレン)のメンバーに気に入られてしまった結は、戸惑いながらも彼女たちと友達になった。『おむすび』(NHK総合)第6話からは結のギャルたちとの秘密の交流が始まる。
ギャルの全盛期だった2000年代初頭。この時期は『egg』や『小悪魔ageha』といったギャル雑誌、藤井みほなによる漫画『GALS!』やドラマ『ギャルサー』(日本テレビ系)など、さまざまなメディアでギャルカルチャーが取り上げられていたこともあり、当時田舎の小学生だった筆者にとってもギャルは憧れの存在だった。
そんな私たちの世代にとって、本作で描かれるギャルカルチャーは胸熱でしかない。ハギャレンのメンバーから送られてくるギャル文字のメールにも「懐かしい!」と声に出してしまうほど思わずテンションが上がってしまった。もはや怪文書とも言えるギャル文字は読解が難しく、変換するのも一苦労なのにみんなこぞって使っていたのを覚えている。あの頃のギャルたちには“コスパ”という概念はなく、好きなことのためなら時間も苦労も惜しまなかった。
筆者をはじめ、当時の若者がギャルに憧れた理由の一つはそのマインドにある。良い意味で自分本位だけど、義理と人情に厚く仲間思い。そんなギャルマインドが詰まった掟を、結はハギャレンのメンバーたちから教えられる。
その1「仲間が呼んだら、すぐに駆けつける」。これに関しては、ルーリー(みりちゃむ)から送られてきた大袈裟なメールのせいで不本意にも達成してしまった結。だが、その2「他人の目は気にせず、自分の好きなことを貫く」と、その3「ダサいことはしない」に関してはどうだろう。結はハギャレンのメンバーと友達になり、土日は彼女たちと一緒に過ごすようになったが、家族にも学校の友達にもそのことを秘密にしている。