大島優子は目に宿る温度までも表現する 『GO HOME』で最大まで発揮された表現力

大島優子は目に宿る温度までも表現する

 大島の芝居は、ふとした時の表情、仕草などこれ以上ないほどに自然だ。役柄を極限まで自分に引き寄せており、このキャラクターならそうするだろうという不思議な納得感がある。NHK連続テレビ小説『スカーレット』で演じた熊谷照子役では、地元の窯元の跡取り娘としての強気な性格、一方で主人公・喜美子(戸田恵梨香)への優しさや自身の立場を理解したうえでの諦念など、複雑な人間性をリアルに愛らしく表現。言葉では強気な照子がたまに見せる弱さのある表情や、強がったときの大袈裟な仕草などが照子のドラマをより深いものにしていた。大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合)では、主人公・栄一(吉沢亮)の後妻・兼子を演じ、栄一の感情を敏感に感じとっているからこその不安な思いと喜びを表現した。

 大島は作品の時代背景や役柄の身分などがどのような設定であっても、人物のなかにある根源的な葛藤や感情を自分のものにして、セリフ回しや声色だけでなく、表情や仕草、目に宿る温度までも含めて表現する力がある。役が憑依するのではなく、どんな役柄も大島が持つ引力に引き寄せられ、大島のふとした表情、仕草にキャラクターが宿るのだ。

大島優子が役を演じる上で大切にしていること 「“痺れるものって何だろう”と考えている」

田中圭の怪演ぶりや、南沙良や河合優実ら女子高生キャストの好演も話題の映画『女子高生に殺されたい』。そんな本作を影で支えているのは…

 第4話以降、真はバディとして桜をたしなめつつも時に支え、背中を押すバディとしての活躍を見せてきた。大島らしいナチュラルな芝居が真の大人な振る舞いや目線に表れており、10歳差の同期バディという変わった関係に説得力を出しているのも、真の魅力に繋がっているだろう。『GO HOME』は最終章に入り、第9話では身元不明人相談室の堀口(戸次重幸)について調べることに。桜と真はどんな困難の末に、真実へと辿り着くのか。

■放送情報
『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00〜放送
出演:小芝風花、大島優子、阿部亮平、柳美稀、戸次重幸、半海一晃、高島礼子、吉田鋼太郎
脚本:八津弘幸、佐藤友治
音楽:横山克
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:荻野哲弘、鈴木将大、本多繁勝(AX-ON)
演出:菅原伸太郎、大谷太郎ほか
制作協力:AX-ON、アバンズゲート
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/gohome
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/gohome_ntv
公式Instagram:https://www.instagram.com/gohome_ntv
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@gohome_ntv

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる