高橋文哉、新時代の“実写化俳優”に 山﨑賢人とは違う角度からの演技アプローチ

高橋文哉“実写化俳優”として高まる表現力

 俳優・高橋文哉は、2024年に公開された映画『からかい上手の高木さん』や『ブルーピリオド』、そして現在放送中のドラマ『伝説の頭 翔』(テレビ朝日系)など、漫画原作作品での活躍が際立っている。彼の繊細な表現力と役柄に対する深い理解が、これらの作品で光を放ち、新時代の“実写化俳優”としての地位を確立しつつある。そんな高橋の台頭を、同じく“実写化俳優”として名を馳せる山﨑賢人との比較を通じて掘り下げていきたい。

山﨑賢人が築いた“実写化俳優”への道

 山﨑は、ティーン向け雑誌『ピチレモン』(学研プラス)で数少ないメンズモデルとして活躍し、テレビドラマ『熱海の捜査官』(テレビ朝日系)で俳優デビューを果たした。そしてNHK連続テレビドラマ小説『まれ』でヒロインのパートナー・圭太を演じ、一気に知名度を上げた。その後、漫画原作の恋愛映画に数多く出演し“実写化俳優”としてのキャリアを歩み始めた。2015年以降『ヒロイン失格』や『orenge』、『オオカミ少女と黒王子』など、立て続けに数々の恋愛漫画原作の映画で主演を務め、少女漫画の主人公のような端正なルックスと丁寧な芝居で多くの視聴者を魅了した。

 その後、恋愛映画の枠を超え、幅広いジャンルの実写化作品に挑戦し続けている山﨑。2019年から続いている映画『キングダム』シリーズや、映画『ゴールデンカムイ』での山﨑の評判の良さは、各作品のアクション練習映像やメイキング映像からも窺える。『ゴールデンカムイ』の模擬銃を持った状態で何度もアクションの練習をする様子や馬ぞりで引きずられている姿には、彼が高く評価されている理由がわかる。

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高橋文哉、新時代の“実写化俳優”としての台頭

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 一方、高橋は2017年に男子高校生ミスターコンでグランプリを獲得したことで注目を集め、翌年には舞台『大正浪漫探偵譚 -六つのマリア像-』(2018年)に出演し、俳優としての第一歩を歩み始めた。そして21世紀生まれ初の主演ライダーとして特撮テレビドラマ『仮面ライダーゼロワン』(2019年/テレビ朝日系)で主人公・飛電或人を演じ話題となった。その後もテレビドラマに次々と出演し、2021年には『最愛』(TBS系)で吉高由里子演じる主人公・梨央の異母弟・優を演じた。高橋はこのミステリアスで複雑な背景を持つ役柄を、シリアスな演技力で表現。梨央の弟としてのかわいらしい魅力も存分に発揮した結果、第31回2021TVLIFE年間ドラマ大賞新人賞を受賞した。

 さらに2023年に公開された映画『交換ウソ日記』では主演を務め、第47回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、高橋の演技力の高さは広く知れ渡った。そして現在放送中のドラマ『伝説の頭 翔』では、ヤンキーとオタクという対照的なキャラクターを見事に演じ分け、映画『からかい上手の高木さん』では、大人になった主人公・西方を繊細に演じ、『ブルーピリオド』では女性的な容姿のキャラクター“ユカちゃん”こと鮎川龍二を演じるにあたり、8キロの減量と脱毛をし、エステやネイル、そして半身浴を行うなどかわいくなる努力をして撮影に臨んだという(※)。そんな高橋の多様な役柄への対応力が今後の彼の成長とともにさらに注目されるだろう。

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