菅生新樹があらためて感じた演じることの魅力 高橋文哉は「本当にすごいなと心から思う」
赤髪スキンヘッドの漫画の世界から飛び出てきたようなキャラクター。取材現場で菅生新樹と出会ったときに思った気持ちだ。キャプテンを演じた『下剋上球児』(TBS系)の好演も記憶に新しい菅生が、雰囲気を一変させて新たな挑戦をしているのが、テレビ朝日系金曜ナイトドラマ『伝説の頭 翔』だ。演じる大門伝助は、主人公・伊集院翔(高橋文哉)が率いるヤンキーの連合体「グランドクロス」の副長。そして、翔の影武者となる山田達人(高橋文哉)の正体も知る唯一の人物だ。“相棒”高橋文哉への思いから、俳優としてのここまでとこれからについて、じっくりと話を聞いた。(編集部)
ヤンキー役は自分がまったく触れてこなかった未知の世界
――大門役を演じるにあたり、ご自身にとって初挑戦だと感じることはありますか?
菅生新樹(以下、菅生):今回は今までやってきた作品の中で、初挑戦が多い印象があります。主演の1作品(『凋落ゲーム』/フジテレビ系)を除いて、ここまで重要なポジションをやらせていただくのも初めてですし、こんなに喋って、こんなに出続けている経験もなくて。本格的なコメディのシーンも初めてですし、アクションをガッツリやるのも初めてですし、ヤンキー役も初めてですし(笑)。本当にいろんなことが初めてなので、毎日毎日「挑戦しているな」という気分です。
――充実感のある日々を過ごされていると。
菅生:はい。その分悩んだり葛藤したりもして苦しい日々も多いんですが、すごく充実していて、この作品を通してちょっとでも成長できたらと思っています。自信も持てるようになれたら嬉しいです。
――菅生さんにとって大きな一歩になりますね。ちなみに、その悩みや葛藤はどう解決されているのでしょうか?
菅生:この作品の本読みをしたときに今までの中で一番上手くできませんでした。大門はストーリーを進行する役で、説明をしなきゃいけないシーンもある。でも、原作も読んで、台本も何度も何度も読んで、設定など雰囲気は掴めても“役柄”を構築しきれず悩みました。考えていることが表現しきれなかったんです。マネージャーさんに相談したり、監督とプロデューサーとの時間をたくさん作って頂いたり。これも初めてのことだったんですけど、監督と話し合いながら綿密にイメージ像を作って、立ち稽古もやらせてもらいました。そこでやっとつかめて、あとは現場に入って、だんだん染み込んでいった印象です。
――かなり細かく話し合ってキャラクターを作られたんですね。
菅生:僕は今まで“日常の中に存在するような人物”を生きることが多かったんですが、今回はヤンキーという“自分がまったく触れてこなかった未知の世界”。もともとヤンキーものの作品を観るのは好きでしたけど、自分がいざ演じるとなったときにすごく悩みました。
――主演の高橋さんをはじめ同世代がたくさんいる現場ですが、刺激を受けるような瞬間も?
菅生:(髙橋)文哉からは毎回刺激をもらえますし、自分も負けたくないという気持ちもあります。現場で1人2役をやっている姿を見て、本当にすごいなと心から思うので、自分ももっと頑張らなきゃいけないと掻き立てられます。俳優としてのキャラが違うとはいえ、僕は同世代の同志だと思っていて、文哉もそう思ってくれていたら嬉しいです。自分も早く同じ土俵に立って、次に再会するときにはもっと近い関係性でありたいと思います。ライバルというより、一緒により上を目指す同志という感覚はこの先も変わらないと思います。
――お互いに高め合っていく関係ですね。
菅生:そうですね。彼が僕の出演していた作品を褒めてくれたことも嬉しかったので、そういう存在に早く追いつかなきゃいけないなと思っています。