『虎に翼』尾碕真花が吐露した“子供らしい”本音 寅子が“居場所”を作るために尽力する

『虎に翼』のどかが吐露した子供らしい本音

 優未(毎田暖乃)がのどか(尾碕真花)に持ちかけた麻雀勝負は、優三(仲野太賀)譲りの緊張時にやってくる優未の腹痛=ぎゅるぎゅるによって休戦。『虎に翼』(NHK総合)第110話では、星家の家族のようなものの行方が描かれた。

 麻雀勝負の条件は、優未が勝った場合、「寅子と優未の何を好きになれないのか、のどかが正直に話し解決策を探る」、のどかが勝った場合は「のどかが星家から出ていく」という内容だった。結局、麻雀の勝負はついてはいないが、のどかは自ら寅子たちを好きになれない理由を打ち明ける。

 優未の体調を心配し、寅子だけでなく、航一(岡田将生)や朋一(井上祐貴)、百合(余貴美子)が寄り添う――気付けば寅子と優未が家族の中心にいる、その家族の形がのどかは好きになれなかった。

 静かで、ベタベタしない、干渉しない。のどかにとって、星家はそんな家族であったが、新潟から帰ってきた航一は変わっていた。外に遊びに出かけ、優未と手を繋ぐ。はっきり言ってしまえば、それはのどかが寅子と優未に抱く嫉妬心でしかない。

 朋一にも嫉妬心は芽生えていたが、亡き母・照子(安田聖愛)が言っていた「お父さんを甘えさせてあげて」という願いを、朋一は今の航一の笑顔に重ねていた。初めて知る妻の思いに、涙が込み上げる航一。そもそも子供たちにまで心の蓋を閉ざしていたのは航一であり、その心の距離がのどかの嫉妬を生んでもいる。

 前の夫との間に子供ができず、三行半を突きつけられ、朋彦(平田満)の後妻として星家にやってきた百合は、子育てを押し付けてきたと反省する航一に「2人を、家族を支えることが私の誇り」と話す。寅子と優未が「たくさん褒めてくれるから嬉しかった。時々は褒められたい」とも。大切な人に自分を見てほしいという願望は、人として当然の欲求なのかもしれない。

 寅子は、はる(石田ゆり子)と直言(岡部たかし)に厳しくも、優しく育てられてきた。「思えば、私は心ゆくまで『子供』をやらせてもらえた」と自戒の念を込めて振り返る寅子。かつては優未の面倒を花江(森田望智)に任せ、家族との溝を生んだ寅子は、優未のその時間を作ってあげられなかった。寅子の「時々は子供扱いさせてくれないかな」という投げかけに、のどかのあごから涙が滴り落ちる。そして、寅子は「お互い少しだけ家族のようなものをお休みしませんか?」と航一に提案。星家の問題を解決するまでは解散と、寅子は優未を連れて家を出ていく。

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