ロバート・ダウニー・Jr.登場にコミコン会場は「マジかよ!?」 勝負に出たMCUの今後に期待

 こんにちは、杉山すぴ豊です。ここ最近のマーベル、DCのアメコミヒーロー映画まわりのニュースや気になった噂をセレクト、解説付きでお届けします!

 7月24日から28日までサンディエゴ・コミコンに行ってきました(24日は前夜祭)。そして20時間並んでマーベル・スタジオ=マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のパネル(プレゼンテーション)に参加。その様子をお届けしたいと思います。そう、ロバート・ダウニー・Jr.がドクター・ドゥーム役で次のアベンジャーズ映画に出演することが発表された大反響を巻き起こしたパネルについてです。

マーベルのパネルで発表されたこと

 すでに多くのメディアがこのパネルの内容について発表しています。要点だけ書くと、紹介されたのは3本の映画。『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』、『サンダーボルツ*(原題)』『ファンタスティック・フォー:ファースト・ステップス(原題)』(このパネルで正式タイトルが発表)で、監督と主要出演者が登壇。それぞれ初出しの映像を見せてくれました。

 この3本の紹介のあと、マーベル・スタジオのキーマン、ケヴィン・ファイギが次の2作のアベンジャーズ映画について発表。タイトルは『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)』『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ(原題)』。これら2作の監督にルッソ兄弟が復活。そしてキーとなるヴィラン、ドクター・ドゥームを演じるはロバート・ダウニー・Jr.、ということです。

 ここまではご存じと思うので、どんなふうに発表されたか、そして初出し映像がどんなものだったか解説しましょう。

『デッドプール&ウルヴァリン』感謝のショー

 18時の開幕前から会場は異常な雰囲気。人気歌手のコンサートのようでした。自発的にマーベル・コールが起こります。そしてマーベル・スタジオのあのモーションロゴが流れると会場は興奮状態。

 そして、大画面にまず『デッドプール&ウルヴァリン』の文字が。これがきっかけになって赤色=デッドプールの色、黄色=ウルヴァリンの色の衣装に身を包んだ合唱隊が登場。さらに客席内にさまざまなデッドプールが登場。

 そう、ちょっとした『デッドプール&ウルヴァリン』ショーで幕を開けました。このつかみは大成功。大歓声の中、ケヴィン・ファイギが登場。ファイギは、映画『デッドプール&ウルヴァリン』がグローバルで史上最高のオープニング記録を達成したことを報告。感謝の言葉を述べました。これには会場からも大拍手。と、ここまで書いて、あれ? ライアン・レイノルズとヒュー・ジャックマンはこの場に来なかったの? と思う方もいるかもしれませんが、実は7月25日の夜に、会場にライアン・レイノルズとヒュー・ジャックマンが来て、トークショー付き特別上映会があったのです! これは事前に応募して当選した人のみ参加(僕は落選しました)。というわけで、実はコミコン史上、マーベル・スタジオが2回ホールHでパネルするという珍しいことが起きたわけです(なお、この木曜日に参加した人の話だと、来場者全員にネットでバズった、ウルヴァリン型ポップコーンバケツが配られたそうです!)。

 さて、7月27日のパネルに話を戻すと、マーベル・スタジオのパネルは基本ケヴィン・ファイギがプレゼンターを務め作品を紹介していくわけです。ところが今回はもう1人進行役が登壇しました。それは『デッドプール&ウルヴァリン』にも登場しているピーター(演じているのはロブ・ディレイニー)。劇中のピーターの格好で参加です。ここでファイギから今日のパネルでは3つの映画を紹介しますと案内があり、モニターに最初のタイトルが映し出されました。『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』です。

ハリソン・フォードがコミコン会場に登場!

ハリソン・フォード

 実はここで僕は戸惑ったんですね。おそらく3本とは、『キャプテン・アメリカ』第4作、『サンダーボルツ*』、『ファンタスティック・フォー』ということは予想がついたんですが、基本マーベル・スタジオのパネルは公開の遠い順から発表していくパターンが多かったんです。だから『ファンタスティック・フォー』→『サンダーボルツ*』→『キャプテン・アメリカ』の順だと思っていたんですが、ここがまるっきり逆。もしかすると『デッドプール&ウルヴァリン』の勢いを受け、次に来るMCU映画はこれと印象付けたかったのかも。

 さらに重要なのは、今回のパネルはMCUの劇場映画だけで、ディズニープラスのドラマの紹介はないということです。これは、ドラマのほうは映画部門管轄ではなくTV(ドラマ)部門の管轄に、担当部門を分業する形に戻したからだと思われます。昔のマーベル・スタジオの映画のパネルでは、例えばTVドラマの『エージェント・オブ・シールド』や、Netflixの『デアデビル』などは触れなかったのです。映画とは別の、独自のパネルを展開してました。ところが、ディズニープラスが始まって以降のドラマはよりMC映画との結びつきが強くなったことで、マーベル・スタジオのパネルで映画と同等に紹介するようになりました。それをやめたのかもしれません。だから来年あたりは映画とは別に、マーベルドラマ縛りのパネルが復活するかもしれません。

 そして、『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の監督、主要キャストが登壇。アンソニー・マッキーが登場するときは、「新キャプテン・アメリカ役の……」とフィーチャーされていました。

 ケヴィン・ファイギは本作は『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』のようなポリティカルサスペンスになると宣言。これには拍手が起こりました。『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』は本当に出来がいいというか名作ですから。ここでフッテージ(映像)のお披露目。基本的には先日公開された予告編にさらに映像が加わりパワーアップしています。ハリソン・フォード扮するロス大統領が新キャプテン・アメリカことサムに「新しいアベンジャーズを作りたい」と言うセリフに会場は沸きました。

 そして、ロス大統領がレッド・ハルクになることが確約され、レッド・ハルクの全体像が明らかに。体色だけでなく明らかに顔がマーク・ラファロのハルクと違う(当たり前ですが)、別のハルクです。

 上映が終わり、会場の温度がさらに高まった時に、「ここでお呼びしましょう、ハリソン・フォードです」とケヴイン・ファイギが呼び込み! そう、上映前のキャスト登壇時にはハリソン・フォードはいなかったんです。だから誰もがハリソン・フォードは今回来ないと思っていた(と諦めていた)。だからこれはサプライズで嬉しかった! さらにハリソン・フォードはハルクの怒りのポーズをしてくれたのです!

(左から)アンソニー・マッキー、ハリソン・フォード

 ハリソン・フォードは「MCUに参加できて嬉しい」、ケヴィン・ファイギは「MCUにお呼びできて嬉しい」とコメント。なお、ハリソン・フォードは以前別のアメコミ原作映画でコミコンのステージに立っています。『カウボーイ&エイリアン』(2011年)です。

 ハリソン・フォードのサービス精神が嬉しいですが、実はこのとき上映された映像の中で彼は極めて重要なセリフを言いました。ハリソン・フォードが登壇したとき、ケヴィン・ファイギが「あのセリフをハリソン・フォードに言ってもらいたかった」とわざわざ言及したぐらいです。で、そのセリフなんですが、あまりに衝撃的で、僕は今回のパネルの中で“ロバート・ダウニー・Jr.がドクター・ドゥーム役”に次いで2番目に衝撃だったぐらいです。なので一部のメディアを調べるとわかると思うんですが、ちょっとこのコラムでは皆さんを楽しみを奪いたくないので(笑)、伏せておきます。あっさりこのフッテージがマーベルから公開されるかもしれませんが、とにかく今後のMCUを大きく変える一言といっても過言ではないです。

『サンダーボルツ』圧巻のアクションシーン!

(左から)ロブ・ディレイニー、ケヴィン・ファイギ、ジェイク・シュライアー、ジェラルディン・ヴィスワナサン、ワイアット・ラッセル、ルイス・プルマン、ハナ・ジョン=カーメン、デヴィッド・ハーバー、ジュリア・ルイス=ドレイファス、フローレンス・ピュー、セバスチャン・スタン

 続いては『サンダーボルツ*』。これも監督と登壇者が登場。セバスチャン・スタンら豪華スターが続々登壇し、締めはフローレンス・ピューでした。全員が登壇したと思いきや、いきなり客席がざわつきます。レッド・ガーディアン役のデヴィッド・ハーバーがレッド・ガーディアンのコスチュームで(つまりレッド・ガーディアンとして)客席から登場。しかし衣装を着ているのは彼だけ。「え? お前ら皆スーツ/コスチューム着てくるって言ってただろう!」とステージの上にいる登壇者たちに怒るという爆笑の演出から始まりました。

 ここで映像の初お披露目。あるミッションのためにワケありの連中が集められるわけですが、最初に彼らが顔合わせしたとき、事情を知らされていないからか戦いが起こります。

 エレーナ、U.S.エージェント、ウインター・ソルジャー/バッキー、ゴースト、タスクマスター間でのバトル。このシーン鳥肌が立ちました。自分以外がすべて敵の状況で、それぞれの戦闘スキルが炸裂。観客に今度のサンダーボルツの面々がどういう連中かわからせる効果もありますね。

 上映後、フローレンス・ピューが「とにかくスタント(アクション)がすごい」とド迫力の映画であることを強調しました。先に見せてもらった『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』と比べ、主人公たちのアクションがより殺気立っている感じがよく伝わりました。期待大!

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