『海のはじまり』夏の“告白”に予想外の反応を見せた弥生の過去 有村架純が“心の強さ”体現

『海のはじまり』弥生の“心の強さ”

 今まで通り朱音と暮らすのか、それとも夏との新しい生活を始めるのか。海の未来の選択肢を探る中で、弥生が発した「もし月岡くんがお父さんやるってなったら、私がお母さんやれたりするのかな」という言葉は、夏にとって大きな支えとなったはずだ。

 そして弥生の冷静な反応の背景には、実は彼女自身の経験が影響しているのかもしれないことも明らかになる。弥生も過去に妊娠中絶を経験していたのだ。この事実が、海の存在に対する彼女の理解や共感を深めている可能性もあるのだろう。第2話時点では、直接的な因果関係は不明だが、自身の経験が、現在の状況への受け止め方に何らかの影響を与えているのかもしれない。

 第2話のエピソードでは、主要キャラクターたちの物語に加えて、サブキャラクターたちの存在感も増している。夏の弟・大和(木戸大聖)との掛け合いや、ジュニアグループ「少年忍者」の川﨑皇輝演じる、海沿いの街にある図書館で働く若手司書・前田俊己も登場。川﨑にとっては同局の連続ドラマ初出演であり、今作で月9デビューを飾ることとなった。

 村瀬健プロデューサーは、川﨑の熱心な姿勢を評価し、「撮影が始まってからは、自分の出番がないときでも常に現場にいて、目黒さんや池松壮亮さんの芝居を真剣に見つめています」(※)とコメント。前田は津野晴明(池松壮亮)の同僚であり、亡き水季も同じ職場で働いていた。先輩俳優との共演を通じて、川﨑がどのような成長を見せるか、今後の展開が楽しみだ。

少年忍者 川﨑皇輝、目黒蓮主演『海のはじまり』で月9デビュー 「改めて光栄に思います」

目黒蓮(Snow Man)主演のフジテレビ系月9ドラマ『海のはじまり』の第2話より本格的に出演する少年忍者の川﨑皇輝からコメント…

 そして今回、海の心情を象徴するかのような重要なアイテムとして、絵本『くまとやまねこ』が登場する。この物語は、最愛の友だちであることりを亡くしたくまが、やまねことの出会いを通じて新しい一歩を踏み出す勇気を描いている。大切な存在を失った後の悲しみや戸惑い、そして希望の芽生えまでを繊細に表現したこの本を、海が大切にしている理由は想像に難くない。

 母を亡くした海の心情が、この絵本のくまの姿と重なり合う。それはまた、水季の死と突然向き合うことになった夏の心境とも響き合うものがあるだろう。そんな中で、海が発した「ママと2人の絵を書いちゃった。夏くんと3人の絵がよかった」という言葉を思い返すと、胸が締め付けられる思いがする。失われた家族の形と、新たに形成されつつある関係性。その間で揺れ動く幼い心を、この絵本の存在が鮮明に表現しているとも言える。そして、そんな複雑な状況に重なるかのように、夏は朱音から水季の遺言とも言える言葉を受け取るのだった。

「海に選ばせてあげて。後ろから見守ってあげてほしいって」

 次回以降、弥生と夏が海を2人で育てることについて、物語がより深く掘り下げられていくことが予想される。しかし、その道のりは平坦ではないのだろう。夏と弥生にとって、突然の親役は大きな挑戦となる。特に弥生には、血のつながりのない自分が、母親である水季の代わりになれるのかという不安や自問自答が付きまとうのかもしれない。また、海にとっても、母親を失った悲しみを抱えながら、新しい環境に馴染んでいく過程は、きっと様々な感情の起伏を伴うものとなるはずだ。失われたものへの哀しみと新たな絆の狭間で、海の純粋な瞳には何が映るのだろうか。

参照
https://realsound.jp/movie/2024/07/post-1713354.html

■放送情報
『海のはじまり』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:目黒蓮、有村架純、泉谷星奈、木戸大聖、古川琴音、池松壮亮、大竹しのぶほか
脚本:生方美久
演出:風間太樹、髙野舞、ジョン・ウンヒ
主題歌:back number「新しい恋人達に」(ユニバーサル シグマ)
プロデュース:村瀬健
音楽:得田真裕
制作・著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
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