『【推しの子】』原作改変問題を扱う切り口の鋭さ 原作者・鮫島アビ子が起こした“波乱”

『【推しの子】』原作改変問題を扱う鋭さ

 これほどまでに、国民を熱狂させた令和のアニメがあっただろうか。今や『【推しの子】』という作品名を耳にしたことのない人の方が少ないかもしれない。アニメファン以外の層も大きく巻き込んで、社会現象を巻き起こした『【推しの子】』が、ついに帰ってきた。

 『【推しの子】』は、恋愛リアリティーショー、アイドル業界と、エンターテインメントの世界で輝く若者たちの姿を、様々な切り口で鮮やかに描写してきた。その魅力的な世界観は、視聴者の心を掴んで離さない。そんな本作が第2期で挑むのは「2.5次元舞台」という、極めてエッジの効いたテーマだ。

TVアニメ『【推しの子】』第2期メインPV第2弾【2024年7月3日より放送開始】

 2.5次元舞台では、漫画やアニメ、ゲームなどを原作とした作品を、舞台やミュージカル(3次元)で再現する。原作との解釈の一致を見つける面白さもある、アツい現場である。一方で、漫画を原作とし、それを舞台化(アニメ化)する難しさは、まさに“原作もの”である『【推しの子】』ならではの題材と言えるだろう。

 ちなみに「東京ブレイド」の舞台は、ステージアラウンドという360度が舞台になる形式を採用している。第1話の冒頭でも、実際に視聴者が一番後ろの席でステージを鑑賞しているような演出で、その没入感を再現していた。

 「東京ブレイド」の舞台で中心的な役割を担うのは、実力派揃いの劇団ララライの劇団員たちだ。中でもエースの黒川あかね(CV:石見舞菜香)と看板役者の姫川大輝(CV:内山昂輝)は、そのずば抜けた演技力で舞台の制作陣からの期待も大きい。

 今回の舞台に参加を決めたアクア(CV:大塚剛央)には、隠された目的があった。アクアが父親の正体を追う中で、鍵となる存在として浮かび上がった劇団ララライ。星野アイ(CV:高橋李依)も一時所属し雰囲気が変わった分岐点でもある。その真相に迫るため、アクアは舞台への参加を決意したのだ。

 キャストの顔合わせを終え、いよいよ台本読みと本格的な稽古が開始。しかし、役者たちの兼任スケジュールの都合で、全体稽古よりも3〜4人単位のグループ稽古が中心に。舞台では、2つのチームの激しい抗争が描かれる予定だ。主人公側の新宿クラスタには姫川、有馬かな(CV:潘めぐみ)、鳴嶋メルト(CV:前田誠二)が所属。対する渋谷クラスタには黒川、アクア、鴨志田朔夜(CV:小林裕介)が配置された。

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