亀梨和也、“バディ”見上愛とは「生きた芝居ができた」 『ゲームの名は誘拐』撮影の裏側が

亀梨和也『ゲームの名は誘拐』現場レポ

 6月9日22時よりWOWOWにて放送・配信がスタートする連続ドラマW 東野圭吾『ゲームの名は誘拐』のクランクインレポートが公開された。

 2002年に刊行された東野圭吾の同名小説を連続ドラマ化する本作は、主人公の広告代理店の敏腕プランナー・佐久間駿介(亀梨和也)が、手掛けていた大型プロジェクトから突如降板させられたことを機に、自分を引きずり下ろした大企業の副社長・葛城勝俊(渡部篤郎)に一矢報いるため、その娘・樹理(見上愛)と共謀して狂言誘拐を企てたことから 始まるミステリーだ。

 脚本を手がけるのは、『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)、『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)の小峯裕之。『連続ドラマW ギバーテイカー』『連続ドラマW シャイロックの子供たち』などの鈴木浩介が監督を務める。

 2023年10月初旬のある朝、主演の亀梨和也とヒロインを務める見上愛は同時にクランクイン。佐久間と樹理が、昔ながらの喫茶店で話している第1話のシーンが、2人の初顔合わせの場となった。自信を持って進めていたプロジェクトを、クライアントである日星自動車の副社長・葛城(渡部篤郎)によって白紙にされ、プライドをズタズタにされた佐久間。忸怩たる思いを抱えて葛城邸にやってきたところで、娘の樹理がこっそり家を抜け出す場面に遭遇する。気になった佐久間は樹理に声をかけ、とある喫茶店へ。そこで彼女の話から葛城という人物を探るという、初手の重要な場面だ。

 まず、見上がにこやかにお店に入って奥の席へ。その少し後に亀梨が現れると、2人は「よろしくお願いします」とお互いに簡単なあいさつを交わし、スタッフの「クランクインです!」という高らかな宣言で現場が回り始める。大勢の拍手に迎えられた亀梨はスタッフたちをゆっくりと見回し、表情を緩めて丁寧に礼をする。その後、全話の演出を手掛ける鈴木浩介監督から、喫茶店で向かい合って話す2人をどの角度から撮っていくかの段取りの説明がなされ、すぐにテスト撮影へと移る。樹理はなぜ家を出たのか、その経緯を説明する長めの会話がミスもなくサクサクと進められていく。

 前夜遅くまで別作品の撮影に追われていたという亀梨。現場では、そんなことはみじんも感じさせない、プロフェッショナルな姿勢を見せたという。終始淡々と抑えたトーンで冷静に話す佐久間と、ときに子供っぽく、感情をにじませながら話す樹理。監督に「この段階では、佐久間はまだ(葛城を陥れるために樹理をどう利用するか)ノープランで話してますよね」と確認する亀梨に対し、「そう、だから準備している感じは出さないほうがいい」と鈴木監督。「明確な準備はしていないけど、佐久間の中ではすでにいろんな計算が始まっている感じかな」というアドバイスに、「そうですね」と亀梨も同意し芝居が再開される。

 亀梨が演じる佐久間の物腰はとにかくスマートな役どころ。監督が見上に対してディレクションしている間も、襟やネクタイなどの身なりを整えて佇む亀梨の姿があったが、セットチェンジになるとその空気は一転。なぜか唐突に「あかりをつけましょぼんぼりに~♪」と、童謡の「うれしいひなまつり」を口ずさみながら、外の空気を吸いに出て行く亀梨のお茶目な一面が顔を見せた。

 初日の緊張感が漂う現場で、絶妙に肩の力が抜けた座長の姿に引っ張られ、見上も自然と笑顔をこぼしていた。続いてとあるホテルに移動し、佐久間と樹理の“誘拐ゲーム”が動き出す序盤の重要シーンの撮影へ。家に帰りたくないという樹理を宿泊させるため、ホテルにチェックインをして部屋まで連れて行く一連を、亀梨は無駄のない動きでシャープにこなす。「スン!といかないといけないからね。こうスッと流れるようにやらないと(笑)」と、ことあるごとに場を和ませる姿が印象的だった。そして撮影は進み、続いて部屋の中でのシーンへ。樹理に「冷たいシャワーでも浴びてこい」と言い放つセリフを「浴びろ」と修正していくなど、言葉尻まで芝居を探っていく様子も伺えた。ひねくれた面がありながらも、お嬢様らしい天真爛漫さを醸し出す樹理と、冷静で頭の回転が早く、表情にも仕草にもスキがない佐久間。その対比がしっかりと表現されたシーンに仕上がっていた。

 現場入り時には、初日ならではの緊張感を携えているように見えた亀梨。しかしこの日、いくつもの大事なシーンを撮り終えた頃には「ゲーム、始まっちゃったね(笑)」と自然な笑顔を見せた。

 あわせて、クランクイン撮影後の亀梨からはコメントも到着している。

亀梨和也(佐久間駿介役)コメント

クランクインを迎えての現在の心境

とにかく慌ただしい感じで入りました。昨日も夜中の1時まで別の作品を撮っていて、朝6時起きで現場に来たんです。(別作品の)クランクアップから本作のクランクインまで数時間という感じで、その間に髪を切って整えて準備をしてね。ひと息つく暇もなく、ずーっと全力で走り続けて、ここまで来たという印象です。

共演の見上愛の印象

初めてお会いするので、写真やプロフィールを拝見して予習をしてきたんです。実際にお会いしたら、とても物腰が柔らかく、独特の空気をまとっている方でした。年齢はかなり離れていますが気さくで話しやすく、誘拐ゲームを巡るバディという関係性として、初日から生きた芝居ができたと思う。お芝居をする上での駆け引きも楽しくやっていけそうだと感じました。佐久間のキャラクターには固い部分があるので、その固さの中に生っぽさというか、あえて“へぇ~”とか“フッ”という余白のようなものを入れているんです。セリフも全体的に固い感じのものが多いので。見上さんは僕のそういったお芝居もちゃんと表情で受け取ってリアクションをくれるのでやりやすいですね。 

演じる佐久間駿介という人物について

基本的にすごく真面目でプライドが高い。合理的な人物だけど、それは世の中に対してというより、自分の生き方として合理的であろうとしているなと思います。とにかくプライドが高いゆえに、人とのコミュニケーション、要するに“人当たり”的なところでうまくいかないところがある。彼のそういった、一般的にはあまり共感されないような部分も、大事に演じていきたいと思っています。

ドラマを楽しみにしている人へのメッセージ

このレポートが世に出ている頃には撮影は終わっていますが、現時点の僕は撮影に入ったばかり。手探りな部分もあるだけに、これからどんな芝居ができるのか楽しみにしています。毎話、新しい衝撃があると思うので、作品の画から出てくる情報を存分に受け取ってもらえたら、きっと最終回の楽しさがより一層増すと思います。ぜひ、最後まで楽しんでください。

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■放送・配信情報
連続ドラマW 東野圭吾『ゲームの名は誘拐』
WOWOWにて、6月9日(日)スタート 毎週日曜22:00〜放送・配信(全4話)
出演:亀梨和也、見上愛、渡部篤郎、武田航平、平山祐介、泉澤祐希、赤間麻里子、松村沙友理、山崎樹範、飯田基祐、小林隆
原作:東野圭吾『ゲームの名は誘拐』(光文社文庫刊)
監督:鈴木浩介
脚本:小峯裕之
音楽:羽岡佳
チーフプロデューサー:青木泰憲
プロデューサー:大原康明、清家優輝
製作:WOWOW、ファインエンターテイメント
公式サイト:https://www.wowow.co.jp/drama/original/yukai/
公式X(旧Twitter):@yukai_wowow

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