『9ボーダー』ラスト10分で怒涛の展開へ さとうほなみは令和のドラマに欠かせない存在に

『9ボーダー』ラスト10分で怒涛の展開へ

 そして、第3話の六月の心情をピッタリと表していたのが、挿入歌であるSEKAI NO OWARIの「Family」だ。「家族だからそばにいるけど 家族だからこそこんなにも遠い」という歌詞が、邦夫と真の意味では“家族になれなかったこと”をしみじみと痛感する六月の心情と重なる。別れを告げられ、離婚を迫られる六月にとって、かつて夫婦として過ごした日々は遠い過去のよう。それでも、一緒に歩んだ時間は決して無駄ではなかったはず。そんな複雑な心境を、SEKAI NO OWARIの楽曲が優しく包み込む。

 そんな六月の心を明るくしたのが、八海の「この家でギャーギャーやりながら“まだよ”と思えばいい」という言葉だった。この言葉には、同じく会社でのあらゆる局面でモヤモヤを抱えてきた七苗も励まされた様子。年齢は数字に過ぎない。「もう29歳」と考えるか、「まだ29歳」と考えるか。全ては捉え方次第なのだ。

 八海に励まされた七苗は何かがプツッと切れたように、会社を辞めて“一回全部捨てる”ことを実行する。そして、そこにまさかの音信不通になっていたコウタロウが帰ってくる。連絡がなかった理由は、洗濯物で番号を書いた紙が粉々になったからだという。残念なことに、コウタロウの家族は見つからなかったようだ。だが、彼がまたいつもの日常に戻ってくることに視聴者と七苗は内心喜んだに違いない。

 まだ第3話にもかかわらず、今回の放送のラスト10分は、怒涛の展開が待っていた。コウタロウが七苗にキスをする場面を、陽太が目撃してしまうのである。さらに陽太への想いが溢れた八海が、彼を抱きしめる。今でも複雑な八海と陽太と七苗の関係性にヒヤリとさせられることはあったが、コウタロウが来たことで、こうも一気に進展するとは。コウタロウが現れたことで変わり始めているのは、“七苗の心”だけではないのかもしれない。

■放送情報
金曜ドラマ『9ボーダー』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:川口春奈、木南晴夏、畑芽育、井之脇海、木戸大聖、山中聡、伊藤俊介(オズワルド)、内田慈、岩谷健司、箭内夢菜、奥村佳恵、矢崎広、兵頭功海、YOU、松下洸平
脚本:金子ありさ
プロデュース:新井順子
協力プロデュース:阿部愛沙美
演出:ふくだももこ、坂上卓哉
音楽:jizue
主題歌:SEKAI NO OWARI「Romantic」(ユニバーサル ミュージック)
製作:TBSスパークル、TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/9border_tbs/
公式X(旧Twitter):@9border_tbs
公式Instagram:9border_tbs
公式TikTok:@9border_tbs

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