『パンドラの果実』新作は科学の急進化をどう扱う? 過去イチ刺激的なシーズンになる予感
小比類巻を演じているディーンと最上を演じている岸井は、科学に関する小難しい単語を使った会話を「今日は少し暑いね」と言うようなテンションのまま、実に淡々と重ねていく。それがふたりの“天才感”を高めており、この物語をより深いものにしている。佐藤隆太が演じる三枝は、時折、おどけたところを見せるが小比類巻の情報源として機能しているので、どちらかといえばふたりと同じ“天才派”だろう。
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先日最終回を迎えた『アトムの童』(TBS系)において、ヒロインとしての仕事をまっとうした岸井ゆきの。作品の軸を支えるポジションに…
その一方で、この物語に広がりを持たせているのが、高い行動力で数多くの犯人を検挙してきた刑事・長谷部を演じるユースケ・サンタマリアと格闘技が得意な奥田を演じる吉本実憂、“体力派”のふたりだ。彼らは科学にそこまで詳しくはない。だから、小比類巻や最上が難しい議論をして、変に考え込んでしまっても、すぐに「まずは行動!」と発破をかけてくれる。この絶妙なバランスが科学犯罪対策室チームをいいチームにしてくれている。
だから、「やっぱり科学は難しそう」なんて思わないでほしい。使われる言葉は聞きなれないものかもしれないが、本シリーズは、科学の進歩や発展が人の思いによって進んできたことが感じられるようになっているのだ。科学者も一人の人間であり、苦悩することもあるのだ。2年でさらに進んだ科学を題材に、どんな事件と人間ドラマが描かれていくのか。期待で胸が躍っている。
■放送・配信情報
Huluオリジナル『パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜』最新章SP&Season3
最新章SP:日本テレビ系にて、6月16日(日)22:30〜放送
※放送終了後、Huluで見逃し配信
Season3(全5話):Huluにて、最新章SP放送終了後独占配信開始
※毎週日曜新エピソード追加
出演:ディーン・フジオカ、岸井ゆきの、佐藤隆太、吉本実憂、ユースケ・サンタマリアほか
原作:中村啓『SCIS 科学犯罪捜査班 天才科学者・最上友紀子の挑戦』(光文社文庫)
監督:羽住英一郎
脚本:関久代、土井笑生
音楽:菅野祐悟
制作:田中宏史、長澤一史
チーフプロデューサー:松本京子、石尾純
プロデューサー:能勢荘志、池田健司、小田切ありさ、古屋厚
制作プロダクション:日本テレビ
制作協力:株式会社ロボット
製作著作:HJホールディングス
©中村啓・光文社/HJ ホールディングス
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