『悪女(わる)』から『花咲舞が黙ってない』へ 今田美桜がもたらす“令和版”の説得力

『花咲舞』今田美桜の“令和版”の説得力

 「お言葉を返すようですが」というセリフとともに、すべての働く人の背中を押してくれた花咲舞が、令和に帰ってくる。今田美桜の力を借りて。

 2014年と2015年に放送された『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)は、池井戸潤の『不祥事』を基にしたドラマだ。花咲舞を杏が、舞の相棒となる上司の相馬健を上川隆也が演じた。東京第一銀行で窓口業務を担当していた舞は、本部臨店班への異動をきっかけに、各支店の問題を相馬とともに解決していく。

『花咲舞が黙ってない』第1話

 舞は時に悩みながらも、どんな相手であろうとひるむことがない。黙れと言われても「黙りません!」「そんなの絶対間違ってます!」と返すような、カッコよくもあり、どこか親しみのあるキャラクターだった。男社会の銀行で働く舞が次々と不祥事を暴く姿に、明日働くための活力をもらった人も多いだろう。本作は『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)の劇中でも取り上げられており、日本テレビが誇る平成名作ドラマの一つだ。

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 「今田主演で、平成の名作ドラマを令和版へ」と聞くと、2022年に放送された『悪女(わる)〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?〜』(日本テレビ系)を思い出す。こちらは1992年に放送された『悪女』(日本テレビ系)をリメイクした作品で、今田は落ちこぼれながら健気に出世を目指す会社員・田中麻理鈴役を、パワフルに演じきった。本作は、平成版から令和版へ細かな設定がアップデートされており、麻理鈴のバックボーンや趣味嗜好が変更されている。それでも『悪女』の令和版として違和感のない作品になっていたのは、こずるく立ち回りながらも憎めない愛らしさで人を動かす今田の姿が、麻理鈴そのものだったからだ。今田の放つ明るいエネルギーが、麻理鈴というキャラクターに説得力を生んでいた。

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