『君が心をくれたから』雨と太陽のファンタジックな“奇跡” 数年後に果たされた未来の約束
もうひとつこのドラマから見えたメッセージがあるとすれば、この最終回の序盤で太陽におぶわれて歩く雨がそれを感じ取れなかったり、夕陽の見える公園で手を繋いでいないのに手を繋いでいるように感じたり、春陽(出口夏希)が雨の手を取って嘆いたり。そうした“触覚”という五感のひとつとして表現された人と人との繋がりと、その温もりの大切さに他ならない。
数年後のエピローグで、雨は夢を叶え、「Sun&Rain(=雨と太陽)」というパティスリーをオープンする。そこにさわやかに降り注ぐ雨。そういえば以前のエピソードで「人は死んだらほんのわずかな時間だけ雨を降らせることができる」という話があった。太陽が亡くなったことを知らされた周辺の場面では、雨は降っていなかった。このエピローグで降った雨が、雨が夢を叶える瞬間まで太陽が大事にとっておいた雨であってくれれば、このドラマはまちがいなくハッピーエンドである。
■配信情報
『君が心をくれたから』
TVer、FODにて配信中
出演:永野芽郁、山田裕貴、斎藤工、松本若菜、白洲迅、出口夏希、真飛聖、遠藤憲一、余貴美子
脚本:宇山佳佑
主題歌:宇多田ヒカル
演出:松山博昭
プロデュース:草ヶ谷大輔
©︎フジテレビ
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