『君が心をくれたから』永野芽郁が体現する雨の変化と成長 五感を失う中で得たもの
五感を失うことはむやみやたらに話せることではないが、雨は自分と太陽に特別な事情があることを知る人を少しずつ増やしていった。特に司(白洲迅)の事は信頼しており、太陽との婚姻届の保証人になってもらっただけでなく、実はこの届けを出すつもりがないこととその理由もしっかり伝えている。もう雨には、過去の出来事を思い出し、震えていた頃の面影など少しも残っていない。
そして、太陽こそ、この“過酷な奇跡”を通して、雨が得た最高のパートナーだろう。そもそも事故に遭った太陽の命を救おうと、雨は案内人の日下(斎藤工)と千秋(松本若菜)が提案してきた“過酷な奇跡”を受け入れたのだ。それは、雨にとって太陽がそこまでしたいほど生きていてほしい存在であり、一緒にいたい人であったということである。
たとえば自分が九死に一生を得たとして、命が助かった裏には、にわかには信じがたい案内人の存在があることや、“過酷な奇跡”を受けた相手がこれほどまでに自分に対して重い感情を持っていることを打ち明けられたら、中にはせっかく命を救ってもらったのに、怖くなって逃げ出す人もいるだろう。でも太陽は雨から真実を打ち明けられて、ひどく動揺はしたが逃げ出すことまではしなかった。むしろ雨に対して自分が出来ること、やるべきことに力を傾け始めたのだ。
雨もずっと自身を襲う過酷さに耐えてきた。それは太陽がいつでも雨に優しくて誠実で、「こんな人のためになんでここまで……」と思わせることがなかったということを意味しているのではないだろうか。雨は太陽がいたからここまで頑張ってこれたのだ。互いを思う気持ちはそのままに、全てを失うその瞬間まで一緒にいて欲しいと思う。
五感を失うということは、真っ暗闇の中で生きるということになる。そんな中で考えるのはきっとこれまでのことだ。ならば、辛かったことや悲しかったことではなく、嬉しかったこと、楽しかったこと、幸せだったことがたくさんあればあるほどいい。太陽が作った花火を打ち上げて、雨に見せることができれば、雨にとって最高の「嬉しかったこと」になるはずだし、太陽は雨との約束を果たすことが出来る。とにかく今は太陽を全力で応援していきたい。
■放送情報
『君が心をくれたから』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:永野芽郁、山田裕貴、斎藤工、松本若菜、白洲迅、出口夏希、真飛聖、遠藤憲一、余貴美子
脚本:宇山佳佑
主題歌:宇多田ヒカル
演出:松山博昭
プロデュース:草ヶ谷大輔
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