『光る君へ』段田安則×井浦新×玉置玲央×吉田羊×柄本佑 “ゴッドファーザー”な右大臣家
また、道長をかわいがり、特別扱いする姉の詮子も父には政治のための道具としか見てもらえず、複雑な想いを抱いている。そして、彼女も変わろうとしている。
入内してからは円融天皇(坂東巳之助)に疎まれ、そのうえ父が退位を早めるために毒を盛っていたのを詮子が毒を盛ったと誤解されたまま、弁解もできずにお別れするなど大きな悲しみを背負った。それを不幸だとか、ネガティブな感情だけに留めておくのではなく、強さに変えていく女性として表現しているところに吉田羊の魅力が光る。
陰陽師の安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)の入れ知恵もあり、一度倒れて意識が戻ったのに花山天皇(本郷奏多)を出家させて退位してもらうためにずっと寝ていた兼家。
「内裏でさらにいろいろなことが起きる。わしが正気を取り戻し、忯子様の迷える御霊が内裏に飛んでいき、さまよっている……と、晴明が帝に申し伝える。忯子様の御霊を鎮め、成仏させるために、帝がなすべきことは何か。これより力のすべてを懸けて、帝を玉座より引き下ろし奉る。みな、心してついて来い!」 という父の言葉に嬉々として応える道隆と道兼。とりあえず返事をしておく道長と、声も出ない詮子。それぞれの表情にそれぞれの思惑が反映して、濃厚な家族の物語に引き込まれる。権力にまつわる新しい展開が待っていて気が抜けない。
参照
※1 https://realsound.jp/movie/2022/05/post-1027100.html
※2 https://realsound.jp/movie/2020/01/post-482520.html
■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4Kにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、高杉真宙、吉田羊、高畑充希、町田啓太、玉置玲央、板谷由夏、ファーストサマーウイカ、高杉真宙、秋山竜次、三浦翔平、渡辺大知、本郷奏多、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
作:大石静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供=NHK