『ブギウギ』には“不在”の美空ひばりも 笠置シヅ子らスターの渡米が相次いだ1950年代

『ブギウギ』スターの渡米が相次いだ50年代

 美空と同じ1937年生まれで、ジャズ歌手として活躍した江利チエミは、1953年に16歳で渡米。「キャピトル・レコード」でレコーディングを行い、ヒットチャートにランキングされるという、日本人初の快挙を成し遂げた。

 1950年代には、笠置をはじめ、美空や江利ら歌手が渡米して話題を呼んだが、1955年には、アジア人俳優として初めてアカデミー賞を受賞したナンシー梅木も、26歳で渡米している。梅木もジャズ歌手として人気を博していたが、ミュージカル映画にも出演するようになり、音楽の勉強のために渡米。その後、笠置たちとは異なり、活動の場をアメリカに移した梅木は、ハリウッドデビューを果たし、1957年にマーロン・ブランド主演の映画『サヨナラ』に出演。本作でアカデミー賞・助演女優賞を受賞した。

 『ブギウギ』では、愛助(水上恒司)を亡くし、一人で愛子を育ててきたスズ子は、大野の手を借りてはいるが、愛子と離れるなんて考えたこともなかったはず。渡米したことで、スズ子の歌唱にどのような影響がもたらされるのか、続きを観るのが楽しみだ。

参考
菊池清麿『評伝 服部良一:日本ジャズ&ポップス史』(彩流社)

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK

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