『恋する警護24時』“辰之助”岩本照にまさかの展開! 人の心がなさすぎる“漆原”溝端淳平

『恋する警護24時』辰之助にまさかの展開

 “特別”という言葉を辞書で引くと、「ほかのものとは違っていること」と出てくる。ということは、辰之助(岩本照)が里夏(白石麻衣)に「岸村さんは、俺にとって特別なクライアントです」と言ったのは、間接的な告白と捉えていいのではないだろうか。

 だって、公私混同をしないタイプの辰之助が、クライアントの里夏の前で「こんなふうに肩を並べて話すなんて、思いもよらなかった……」と子どものように口をとがらせているのだ。何を言われても、ムスッとして「任務なので」と突き放していた頃の辰之助と、同一人物だと思えない。「これは、もう結ばれたのも同然!」と、ついついフライング祝杯をあげたくなった。

恋する警護24時

 しかし、『恋する警護24時』(テレビ朝日系)は、やっぱり一筋縄ではいかなかった。第8話のラスト、辰之助は漆原(溝端淳平)が父親を殺した犯人である証拠品をゲットすることができた。にもかかわらず、その品を奪おうとしてきた漆原ともみ合い、刺されてしまったのだ。

 ナイフで刺された瞬間、たしかにグサッと音がした。ただ、辰之助があまりにも華麗に戦っているから、「聞き間違えか……?」と思ってしまった。まさか、本当に脇腹を刺されていたとは。そして、力尽きて倒れてからも、里夏を安心させるために「大丈夫、大丈夫」と精一杯の笑顔を見せていた辰之助。まったく、この男はどこまで漢気があるのか。

恋する警護24時

 その一方で、漆原には人の心というものがなさすぎる。たとえば、加賀美(山口大地)から奪ったフェイクの証拠品を燃やしていたとき、漆原はその火でマシュマロを焼き、美味しそうに食べていた。「美味しいなぁ、空気が」と言いながら。人を殺してしまったことに対する罪悪感が、まったく見受けられないのだ。

恋する警護24時

 なのに、人を操る能力に長けているところが憎い。秘書の河野(内田航)は、加賀美が入院している病院に忍び込み、彼を殺そうとした。確実に、これは漆原の命令だ。加賀美から証拠品を奪ったのも、河野の仕業。脅されているのか。それとも、“この人のためなら”と思わせる魔力が、漆原に備わっているのか。

 また、加賀美も漆原のせいで意識不明の重体になったのに、なぜか彼のアシストをしようとしている。漆原はフェイクの証拠品を本物だと思い込んでいるのだから、わざわざ伝える必要はなかったのに、なぜ「本物は別の場所に……」と言い、鳥居が書かれた絵を河野に託したのだろう。加賀美は辰之助派に寝返ったものだと思っていたが、この期に及んで漆原の肩を持とうとしているのだろうか。

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