花の都パリの知られざる“暗部” ラジ・リ監督『バティモン5 望まれざる者』5月24日公開へ
ラジ・リ監督最新作『Bâtiment 5(原題)』が、『バティモン5 望まれざる者』の邦題で5月24日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開されることが決定した。
本作は、『レ・ミゼラブル』(2019年)を手がけたフランスの監督ラジ・リが、“排除”と“怒り”の衝突を描いた人間ドラマ。
パリ郊外(=バンリュー)。ここに立ち並ぶいくつもの団地には労働者階級の移民家族たちが多く暮らしているが、このエリアの一画=バティモン5では再開発のために老朽化が進んだ団地の取り壊し計画が進められている。そんな中、前任者の急逝で臨時市長となったピエールは、自身の信念のもと、バティモン5の復興と治安を改善する政策の強行を決意。だがその横暴なやり方に住民たちは猛反発。やがて、これまで移民たちに寄り添い、ケアスタッフとして長年働いていたアビーたちを中心とした住民側と、市長を中心とした行政側が、ある事件をきっかけについに衝突。やがて激しい抗争へと発展していく。
役者として、また1995年にアーティスト集団クルトラジメのメンバーとしてキャリアをスタートしたラジ・リは、1997年に初の短編映画『Montfermeil Les Bosquets(原題)』を監督。2004年にはドキュメンタリー『28 Millimeters(原題)』の脚本を、クリシー、モンフェルメイユ、パリの街の壁に巨大な写真を貼ったことで有名になった写真家JRと共同で手がけた。
前作『レ・ミゼラブル』では、自身が生まれ育ったパリ郊外の犯罪多発地区モンフェルメイユを舞台に、そのエリアを取り締まる犯罪防止班(BAC)と少年たちの対立を描き出し、第72回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞、第45回セザール賞4冠最多受賞(観客賞、最優秀作品賞、有望男優賞、編集賞)、第92回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート、第77回ゴールデングローブ賞外国語映画賞ノミネートなど各国の映画賞を総なめにした。
あわせて公開された9点の場面写真には、バティモン5で働くアビー(アンタ・ディアウ)が、仲間のブラズ(アリストート・ルインドゥラ)と談笑する様子や、行政の思惑で取り壊される古い団地の様子、新しく臨時市長に就任したピエール(アレクシス・マネンティ)が整然とした市庁舎で街並みの新構想を練る姿、行政との戦いに挑むバティモン5の住人らが捉えられている。
なお本作は、3月20日から24日にかけて行われる「横浜フランス映画祭2024」での上映も決定しており、ラジ・リ監督の来日も予定されている。
■公開情報
『バティモン5 望まれざる者』
5月24日(金) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
監督・脚本:ラジ・リ
出演:アンタ・ディアウ、アレクシス・マネンティ、アリストート・ルインドゥラ、スティーヴ・ティアンチュー、オレリア・プティ、ジャンヌ・バリバール
配給:STAR CHANNEL MOVIES
後援:在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ
2023年/フランス・ベルギー/シネマスコープ/105分/カラー/仏語・英語・亜語/5.1ch/原題:Bâtiment 5/字幕翻訳:宮坂愛/映倫区分:G
©SRAB FILMS - LYLY FILMS - FRANCE 2 CINÉMA - PANACHE PRODUCTIONS - LA COMPAGNIE CINÉMATOGRAPHIQUE – 2023
公式サイト:block5-movie.com
公式X(旧Twitter):@STAR_CH_MOVIES