『Eye Love You』二階堂ふみの想いが溢れ出す クールな花岡が見せた人間味溢れる行動

『Eye~』二階堂ふみの想いが溢れ出す

 一方、テオの出現によって本音を抑えきれなくなった人物がもう1人。それは、これまで誰よりも近くで侑里を支えてきた、ビジネスパートナーの花岡(中川大志)だ。バレンタインの夜、テオが侑里とデートの約束をしたと感づいた花岡は、出張先でついテオが帰れないようにしてしまう。普段は公私混同を良しとしないクールな性格の彼が、上司という立場を利用してテオのデートを阻止してしまうところに、どれほど切羽つまった様子なのかが伺えた。

 もちろん、花岡本人もそんな自分の変化に戸惑いを隠せなかったのだろう。ほんの数滴混ざったアルコールに酔ってしまい「ごめんなぁ〜」とテオに謝ってみせるなど、これまたいつものイメージとは異なる行動に出る。「恋愛はしない」としてきた侑里の気持ちを知ったときから、自分自身の恋愛も遠ざけてきたと見られる花岡。恋心を意図的に封印してきたという意味では、侑里以上に強く心を閉ざしていたのではないか。そして、その反動が一気に人間味溢れる行動に駆り立てたのかもしれない。

 そんな2人の恋心を一気に動かしたテオについて、父親代わりでもある飯山教授(杉本哲太)が「あの愛らしい笑顔に、愛らしい性格。好きにならない生物などいるものか」と語った言葉に、多くの視聴者も頷いたのではないだろうか。仁科に嫉妬を覚えた侑里に対しても、変に茶化したり、浮かれたりすることなく、仁科との関係は侑里が心配するようなことはないのだということ、その証拠に彼女には長年付き合っている恋人がいるという事実も伝えて落ち着かせる。

 また、意図的にデートを邪魔して酔い潰れた花岡に対しても、しっかりと送り届ける誠実ぶり。どのようにしてそこまで愛情深い性格に育ったのかと、その背景について気になってくるほどだ。そして、気になるといえばテレパス能力によって本音が聞こえた素振りを見せた侑里を見たときのテオのリアクション。テオの思い出の中に登場する、絵本を読んでくれる女性。彼女のことをテオは「ヌナ(お姉さん)」と呼ぶ。

 その絵本に描かれていたのは、まさに侑里とテオの物語。指輪のようにリボンを結んであげるところまでそっくりだった。ますます2人の出会いは運命的なものだったのではないかと思えてくる。だが、2人のバックボーンを知る飯山教授が、テオの好きな人が侑里であることだけは避けたいといった素振りを見せたのも意味深だ。まるで2人が結ばれては困るかのような態度に、ますます気になるばかり。

 そして、せっかく自分の本心に素直になりかけた侑里は、テオの心の声である「ヌナ(お姉さん)」に、またもや心を閉ざしてしまいそうな予感。せっかく動き出したと思われたそれぞれの恋心。侑里とテオについては最初から相思相愛であるはずなのに、もどかしくすれ違う。しかし、そのもどかしさの先にテオの愛らしい笑顔と誠実な対応が待っていると思うと、それもまたこのドラマの大きな魅力でもある。バレンタインという大きな恋のイベントが終わっても、大いに翻弄してほしい。

■放送情報
火曜ドラマ『Eye Love You』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜22:57放送
出演:二階堂ふみ、チェ・ジョンヒョプ、中川大志、山下美月、清水尋也、立川志らく、ゴリけん、鳴海唯、絃瀬聡一、杉本哲太
脚本:三浦希紗、山下すばる
演出:岡本伸吾、福田亮介、加藤亜季子
プロデュース:中島啓介、車賢智、佐井大紀
主題歌:Omoinotake「幾億光年」(Sony Music Labels)
編成:平岡紗哉、髙田脩
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/EyeLoveYou_tbs/
公式X(旧Twitter):@eyeloveyou_tbs
公式Instagram:eyeloveyou_tbs

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