『おっさんずラブ』春田と牧の愛情表現の違い 田中圭と林遣都の表情に滲む幸せ

『おっさんずラブ』春田と牧の愛情表現の違い

 日本ではまだ根強い偏見もある同性での結婚を親に打ち明ける。結婚式をするかしないか、それ以前に忙しい仕事の中で家事分担はどうするか、どこからが浮気で、仕事の付き合いは浮気にあたるのかなどなど……。両思いのふたりが“付き合う”からさらに関係を一歩先に進めたからこそ見えてくる、無視できない問題はたくさんある。『おっさんずラブ-リターンズ-』(テレビ朝日系)は、それを春田(田中圭)と牧(林遣都)が乗り越えていく様子を一つ一つ丁寧に描いている。

 どんな問題が目の前に立ちはだかろうと、最終的に大事なのは「相手を愛する心」である。一緒に暮らし始めた春田と牧は、小さなトラブルはあれど、仲良く過ごしているようだが、その愛情表現には大きな違いがあるように見受けられる。

 春田は言葉でも行動でもとにかく「牧のことが好きだ!!」と表現していたいタイプ。春田は牧が海外出張から帰ってくる直前に行われた飲み会でマフラーをなくし、第1話で牧から大判タイプの赤いマフラーを贈られている。この赤、存在感が強すぎる。閑静な住宅街やおしゃれなオフィスを背景にすると、鮮やかな色のマフラーに目が奪われてしまうのだ。春田は、家を出る時は顔がうずめられるくらいしっかりとマフラーを巻いていくし、本社に訪問するときも荷物と一緒に絶対に手放さない。そこに「牧から貰ったものだから大切にするんだ」という強い意志を感じる。

 そんな意識をしなくても春田の愛情はふとしたところで発露する。寝起きが悪い春田の元へ牧が起こしにくると、寝ぼけているのかわざとなのか、ベットに引き込んで一緒に寝ようとするし、朝食を作っている牧にちょっかいをかけながら「卵はかための半熟がいい」なんてちょっと難しいことを言って甘えて見せている。牧は「邪魔だから!」と言っているが、好きな人にこんなことをされて嬉しくないはずがない。その証拠にちょっと口元が緩んでいる。漫画でしか見たことがないような甘いシーンの連続にこちらもキュンとさせられてしまった。

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