『リビングの松永さん』“松永”中島健人に見えた変化 愛らしさに満ちた髙橋ひかるの演技

『リビングの松永さん』髙橋ひかるの愛らしさ

 そして今回、そんな松永の胸を打ったのは美己のまっすぐさだ。松永は「誰かに自分を思ってもらえる、そういう存在がいるんだなって知るの、すごく嬉しいんだよ」とその場の料理を全て食べた美己に語り始める。美己のことになると“保護者”というワードを強調するように使う松永だが、彼は彼なりにゆっくりと、自分の内面を美己の前で見せ始めているように思う。

 松永は不器用ながらにシェアハウスでの生活を通じて、誰かに自分の存在を歓迎してもらえることの温かさを感じていた。だからこそ、凌に対しても「歓迎してあげたい」という想いが先走ってしまっていたのだった。

 その不器用な優しさは、遅れてメンバーと共に到着した凌にもしっかりと届いていた。「僕が来たいって言ったんです」「いいですね、誰かに歓迎されるのって」と、主役になることを避けていた凌が発したと思えない言葉の数々は、松永の行動が引き出したものに違いない。

リビングの松永さん

 そして今回のエピソードの最後には、松永に対する美己の想いにも、ついにラベルが貼られたようだ。

「私、松永さんのこと好きになっちゃった……かも」

 松永への“好き”を自覚した美己は、今後「普通に」彼とシェアハウス生活を送れるのだろうか。おそらく、この調子では難しいだろう。しかし、そんな自分の気持ちに嘘をつけない美己の素直さが、本作の大きな魅力となっている。そして、その素直さに惹かれ始めているのは、視聴者だけでなく松永も……と思いたいところ。美己と松永の“恋人未満”な距離感が、この先も1週間を乗り切る糧となりそうだ。

■放送情報
火ドラ★イレブン『リビングの松永さん』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜23:00〜放送
出演:中島健人、髙橋ひかる、向井康二、藤原大祐、大久保桜子、黒川智花ほか
原作:岩下慶子『リビングの松永さん』(講談社『KCデザート』刊)
脚本:田辺茂範
演出:金井純一、日暮謙、松川嵩史
プロデューサー:萩原崇、島本講太、本郷達也、村山太郎
音楽:眞鍋昭大、畑添美菜
主題歌:Sexy Zone「puzzle」(Over The Top)
制作協力:MMJ
制作:カンテレ、Storm Labels
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/matsunagasan/
公式X(旧Twitter):@matsunagasan8
公式Instagram:@matsunagasan8

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