最新技術を使って撮影された『テッド ザ・シリーズ』 セス・マクファーレンらが語る舞台裏
1月11日から『テッド ザ・シリーズ』がU-NEXTで配信されている。タイトルからお察しの通り、これは2012年にセス・マクファーレンが監督を務めR指定ながら大ヒットを記録したコメディ映画『テッド』、その続編の『テッド2』(2015年)の新シリーズであり、前日譚となる。舞台は1993年、高校生のジョン・ベネットと口の悪いクマのぬいぐるみのテッドを中心としたファミリーコメディだ。マクファーレンが三たびテッド役の声と動きを演じ、最新技術のViewScreenを使って、合成予定のVFXを確認しながら撮影が行われたそうだ。セス・マクファーレンとキャストたちのインタビューから、『テッド ザ・シリーズ』の見どころを探っていこう。
ドラマシリーズの主人公は、映画版のような中年男性(&クマ)ではなく、高校生のジョンとテッド。セス・マクファーレンにとって二人のキャラクターの若かりし頃を描くことは、映画の二人の関係をより深く掘り下げる挑戦だった。
「コメディ作家の多くはベータマン(草食系男子)だから、みんなジョン・ベネットみたいなものです。最初の映画ですでに、ジョンはテッドしか友達がいないいじめられっ子であることが確立されていました。だからライターズルームの誰もが容易に掘り下げることができたし、(自分たちの)トホホな時代について書くことができました。この番組の脚本家たちはみんな、地獄のような青春時代をパンチしながら通り過ぎてきた経験をそれぞれのバージョンで抱えていました。だから、暗黒時代を笑いに転化できてよかったと思います」
1983年のジョン・ベネットを演じるのは、映画『パージ』(2015年)などに出演する新鋭、マックス・バークホルダー。オーディションに現れた彼を見たマクファーレンは、「『若きマーク・ウォルバーグだ』って、みんなが思いました。というのは、ジョンが成長すると草食系男子からは最もかけ離れたマーク・ウォルバーグに変身する運命にあることは、共通の認識だったので。この時代の彼はそうじゃないけれど、あと少し自信が伴えば……という微妙なラインをマックスは歩んでいます」と、太鼓判を押す。そして、ジョンの父親のマティを演じたスコット・グライムスとマクファーレンは前作からの縁。
「『宇宙探査艦オーヴィル』をやっているときに、セスがこのプロジェクトの話をしてくれたんです。だから本当に早い段階から企画を知っていて、役を充てがわれた雇われ俳優ではなく、プロセスの一部であることを感じられました。前日譚なので、テッドはまだ有名な存在じゃない。でも基本的には、彼らがどうやってマリファナの吸い方を覚えたかを描くドラマです(笑)」(スコット・グライムス)
舞台は1993年だが、マックス・バークホルダーや従姉妹のブレア役のジョルジア・ウィガム(『13の理由』などに出演)はともに1997年生まれ。90年代カルチャーは彼らにとって未知の世界である。
「僕が生まれたときにはすでにもう存在していなかったテクノロジーがたくさん盛り込まれていることが演じる上でのチャレンジでした。子供の頃から覚えているのは、NINTENDO64で、文字通り、ドラマの最初のシーンに出てきます。でも、ビデオデッキにVHSテープを逆さまに入れちゃって、撮影現場で大笑いされたことを強烈に覚えています。だって、ビデオテープがあったのって本当に小さい頃で、使ったことがなかったから。しかもどうやって使うのか全然覚えていなかったんです(笑)」と、マックスは思い返す。
マクファーレンは、現代のテクノロジーが介入しない時代のコメディを書くことが一種の喜びであるような発言をしていた。
「携帯電話やインターネットを気にする必要もなく、現代を舞台にした作品であるエクスキューズを入れる必要のない世界を作るのは楽しいです。映画制作者たちが、人がメールを書いているような世の中で最も退屈なシーンをどう回避するのか、いつも興味深く見ているので。このドラマの舞台は1993年で、人々にとっておなじみで安心して観られる時代であると共に、とても新しいものと捉えてくれる人もいると思います」
ベネット家に同居するブレア役のジョルジア・ウィガムは、「90年代の衣装とメイクについてたくさんリサーチしました。そこで気づいたのは、ファッションは時代を超えて戻ってくるということ」と語っている。1周どころか数周してむしろ新しい、そんなドラマになっている。