『セクシー田中さん』“危険”な魅力を漂わす前田公輝 人の本音を白日の下に晒す存在に

『セクシー田中さん』前田公輝の手腕が見事

 小西が進吾(川村壱馬)と飲みに行こうとしたことで初めて朱里と喧嘩になってしまった第7話で印象に残っている言葉がある。それは、落ち込む朱里に田中さんが教えた映画『マダム・イン・ニューヨーク』の「恋は要らないの。欲しいのは、尊重されること」という台詞だ。「若くてかわいい」うちに結婚して、手堅く無難な幸せが手に入ればいいと思いながらも、心の中ではずっと「心から愛されたい」と叫んでいた朱里。それはきっと、小西も同じだったのだろう。もともとあまりモテるタイプではなく、好きな人も両思いになれなかった小西。大人になってブランド価値の高い学歴と収入を手に入れて、一度はフラれた相手に振り向いてもらえたが、中身で好きになってもらえたわけじゃない。その傷つきは諦念に変わり、いつしか自分も相手をスペックでしか見ることができなくなってしまった。

「セクシー田中さん」第7話ダイジェスト/田中さんが初デート!?想定外の展開に脳内が爆発!【日テレドラマ公式】

 そんな虚しさを埋めてくれたのが朱里だったのではないだろうか。「若くてかわいい」だけと思っていた朱里は自らを変えようと必死で、ゆえに行動が人とズレているところもあるが、そこが小西にとっては愛おしくて堪らない部分になっていた。からかわれて、むくれた朱里の表情を見て「その顔……好きすぎる!」と思わず心の声を漏らした小西。あの瞬間のくしゃっとした笑顔は、何を考えているかわからないいつもの小西の笑顔とは全然違った。それこそ「好きすぎる!」。

 前田が演じることで、さらに魅力を増した小西は私たちに「人は変われる」ということを教えてくれる。ようやく市場価値ゲームから抜け出した2人が互いを尊重し合った結果、どんな関係を築いていくのか。最後まで温かく見守っていきたい。

■放送情報
日曜ドラマ『セクシー田中さん』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:木南晴夏、生見愛瑠、毎熊克哉、川村壱馬(THE RAMPAGE)、前田公輝、高橋メアリージュン、生駒里奈、なえなの、円井わん、坂ノ上茜、水沢エレナ、星乃夢奈、平野沙羅、西田麻耶、安田顕
原作:芦原妃名子『セクシー田中さん』(小学館『姉系プチコミック』連載中)
脚本:相沢友子
チーフプロデューサー:三上絵里子
プロデューサー:大井章生、田上リサ(AX-ON)
演出:猪股隆一、伊藤彰記(AX-ON)
音楽:日向萌
主題歌:「ドレスコード(Prod. imase)」LE SSERAFIM(ユニバーサルミュージック)
©︎芦原妃名子/小学館/NTV
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/tanakasan/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/ntv_tanakasan
公式Instagram:https://www.instagram.com/ntv_tanakasan
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@ntv_tanakasan

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる