『それパク』“知財”を知れば世界が変わる! 芳根京子&重岡大毅の関係性も見どころに
もちろん、つかず離れずの亜季と北脇のコンビは、『それパク』の一番の見どころである。最終回のラストで2人仲良くベンチに座るシーンでは、北脇が亜季への屁理屈と少しの本音を滲ませながら、第1話で亜季が言っていた「たわわわん」というフレーズを口にする。カメレオンティーを飲むタイミングが2人一緒だったりと、細かく観ていくと愛おしいポイントがギュッと詰まっているシーンであり、それは恋愛関係でもない、友人でもない、かと言って凸凹コンビもどこか違う、なんとも形容し難い唯一無二の関係性を築いた本作の目に見えない価値である。
Blu-ray&DVDでは、亜季と北脇だけでなく、開発部長・高梨(常盤貴子)と弁理士・又坂(ともさかりえ)や亜季の先輩・五木(渡辺大知)とその恋人の篠山(秋元真夏)を巡る展開を含めた物語をもう一度、もしくは初めて辿ることができるのはもちろん、特典として付属するスペシャルメイキング映像が1時間近くある見応えたっぷりの仕上がりとなっている。さらに、そのメイキングに加えて、芳根京子、重岡大毅、渡辺大知、野間口徹、ともさかりえ、常盤貴子のインタビューが編集で加えられているという気合いの入れようだ。
メイキングを観て、一番に伝わってくるのが笑いの絶えない明るい現場だったということ。その中心には癒しであり、チームを引っ張るたくましい座長の芳根、まるで小学生のように天真爛漫でムードメーカーの重岡がいた。そんな重岡のターゲットになっていたのが野間口。おもちゃの如くイジりながらも、クランクアップのときには「お父さん!」と名残惜しそうに叫ぶ重岡が心憎い。また、メイキングには演出の中島悟が頻繁に登場するが、芳根にも、重岡にも遠慮なくディレクションできる近い距離感であったことが分かる。芳根は2021年放送の『真犯人フラグ』(日本テレビ系)、重岡は2019年放送の『これは経費で落ちません!』(NHK総合)でそれぞれ中島と一緒になっており、その経験が今作にも生きていることを実感する映像でもある。
そして、最も心打たれたのは、クランクアップ時の芳根の涙ながらのコメントだった。本作がスタートした2023年4月が俳優としてデビューしてから、丸10年のタイミング。その節目においての主演という大役は芳根にとっても大きな一歩であり、新たに見えた景色だった。「きっとこれから時間が経っても」と次の未来を思い描きながら、『それパク』がいつまでも大切な作品であることに変わりはない。今回改めて『それパク』を観返すことで、筆者にとってももう一度帰ってきたくなる作品であることに気付かされた。
■リリース情報
『それってパクリじゃないですか?』
11月15日(水)Blu-ray&DVD-BOX発売
Blu-ray BOX:29,040円(税込)
DVD-BOX:22,990円(税込)
<映像特典> ※Blu-ray&DVD共通
・スペシャルメイキング
<封入特典> ※Blu-ray&DVD共通
・オールカラーブックレット
出演:芳根京子、重岡大毅(WEST.)、渡辺大知、福地桃子、朝倉あき、豊田裕大、諏訪雅
秋元真夏、高橋努、相島一之、赤井英和、野間口徹、ともさかりえ、田辺誠一、常盤貴子
原作:奥乃桜子『それってパクリじゃないですか?~新米知的財産部員のお仕事~』(集英社オレンジ文庫)
脚本:丑尾健太郎、佃良太
主題歌:AARON「ユニーク」(ユニバーサル シグマ)
制作協力:AX-ON アバンズゲート
製作著作:日本テレビ
発売・販売元:株式会社バップ
©奥乃桜子/集英社・NTV