辰巳雄大×浜中文一×小西桜子、菊地健雄監督と作り上げた“1000年”の時間 爆笑の撮影裏も
空気が変わっていった渾身のアドリブ
――撮影裏では、どんなコミュニケーションを?
浜中:お昼ご飯のときくらいしか休憩時間がなかったので、スケジュール的に3人でオフの時間を過ごすこともなかったんですよね。だから、“何かをしていた”ってことはないよね?
小西:たしかに。浜中さんって、「現場でこんなにボケてたっけ?」と思っています(笑)。
浜中:ちょいちょいボケてたけど、気づいてないだけよ(笑)。
辰巳:現場には“舞”として居たからね(笑)。
浜中:今、「この人たち、変な絡みしてくるなぁ」と思ってない?
小西:思ってないです(笑)。
辰巳:(笑)。3人で撮影するときに、バスを停めている駐車場があったんです。そこで「桜子ちゃん、いないなぁ」と思ったら、桜子ちゃんは公園にいる猫と戯れていて。人懐っこいというか、僕らにも寄り添ってくれるけど、喋りたいと思ったときにふといなくなる……猫みたいな人だなと思いました。「猫みたい」って言われない?
小西:猫、好きです!
辰巳:(小西にほほえみながら)猫好きだもんねー(笑)。
――(笑)。最初からこういう優しい空気感だったのでしょうか?
辰巳:脚本に埋めなきゃいけない余白の部分がたくさんあったので、最初の本読みは緊張感のある時間でした。監督が年表を作ってくださって、「こういうことがあった」と説明してくれて。僕は「100年間寝てたってどういうことだ!?」というところから始まったので、あまり時間がなかったんですよね。なので、最初からこういうフワッとした空気ではなかったけど、食卓で舞さんが作ってくれたご飯を食べるシーンのときに、僕たちがアドリブで光蔭さんに突っ込んでいったんです。その辺から空気が変わってきました。「光蔭さんはすごく卵焼きが好きなんだと思う」とか設定にないことを言って、NGが出ちゃうみたいな(笑)。
浜中:2人は笑えるけど、僕は笑ってはいけないから悔しかったですね。いっぱいボケたいのに、できないから。食卓で向き合っているシーンで、ちょうどカメラがこっちを向いていたので絶対に笑えないんですよ。カメラに背中を向けてたらできるのに、「ほんと最悪」と思いました(笑)。
辰巳:あとはソフトクリームを食べるシーン。撮影が終わったときに、文ちゃんが「スクリーンで観るのを楽しみにしててな! 2人が幸せそうな後ろで、光蔭は光蔭らしくいろいろやってるから」と言ってたシーンがカットされていました(笑)。あまりにもかわいすぎたみたいです。
小西:せっかく、唯一(アドリブを)入れたところだったのに……。
浜中:そうですよ。1個どうしても入れたくて、なんとか入れたアドリブが綺麗にカットされていました。
辰巳:これはBlu-ray&DVDの特典ですかね?(笑)
――もしもご自身が不老不死になったら、どんな生活を送りたいかを教えてください。
辰巳:これについては僕らも話していました。「死ねないって怖いよね」って。でも、漫画では(草介が)一つの場所に留まらないんですよ。たくさん時間があるって考えると、僕もそうするかなとは思いますね。僕、今も一つの場所から全然引っ越してないんです。自分自身も気に入ってるし、そこに住んでから「仕事運がいいな」と勝手に思っているので動けなくて。でも死なないんだったら、「沖縄に住んでみたい!」とか、いろんな土地を転々とするだろうなと思います。
小西:死ぬことができないんでしたら、逆にその能力を生かして冒険に出て無人島や秘境に行ってみたり、危険な探検に出てみたいです。
浜中:僕は“ここに行ってはいけない”“ここに行ったら呪われる”って言われるような場所に行くかな。だって、どう頑張ったって死ねないんだもん。だから実際に行ってみて、どんな感じか確かめます。もしかしたら違う世界に飛ばされるかもしれないし……そうなったらそうなったで、頑張って生きますよ(笑)。
■公開情報
『僕らの千年と君が死ぬまでの30日間』
新宿バルト9ほか全国公開中
出演:辰巳雄大(ふぉ〜ゆ〜)、浜中文一、小西桜子、筒井真理子
監督:菊地健雄
脚本:保坂大輔
音楽:吉川慶
主題歌:ふぉ~ゆ~「心つないで」
製作幹事・配給:東映ビデオ
製作プロダクション:アルタミラピクチャーズ
©僕らの千年プロジェクト ©2023映画『僕らの千年と君が死ぬまでの30日間』製作委員会