『いちばんすきな花』で多部未華子が表現する人間の芯の強さ 表情や声色で訴えかける力

多部未華子が表現する人間の芯の強さ

 清らかな佇まいの中に、凛と咲く花のような強さを感じる多部未華子。その眼差しは「潮ゆくえ」という人間の芯の強さをはっきりと捉えているのだ。10月12日、『いちばんすきな花』(フジテレビ系)の放送が始まると、SNSは瞬く間にドラマの話題でもちきりになった。そこでクアトロ主演の1人として潮ゆくえ役を演じるのが多部である。

 多部は2005年の映画『HINOKIO』でのボーイッシュな少女・工藤ジュン役で、存在感を見せた。同年には映画『青空のゆくえ』にも出演。これらの映画での芝居が評価され、この年に第48回ブルーリボン賞新人賞を受賞することになる。

 こうして10代から俳優として活躍してきた多部は、その後『山田太郎ものがたり』(TBS系)や、『鹿男あをによし』(フジテレビ系)などキー局のドラマでも頭角を現し、NHK連続テレビ小説『つばさ』で1500人以上もの中からオーディションでヒロインの玉木つばさ役に抜擢される。今なお印象深いのが、主演ドラマ『デカワンコ』(日本テレビ系)でのゴスロリファッションに身を包んだときの輝くようなかわいらしさだ。

 そんな彼女の一つの転機となったのが、お仕事ドラマの代表格『これは経費で落ちません!』(NHK総合)の森若さん(森若沙名子)役ではないだろうか。経理部を舞台に、正しさだけで突き進むことのできない主人公の心の揺らぎを丁寧に演じ、多くの働く女性から共感を得た。翌年には『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)の相原メイ役で、家事は苦手だが仕事では成績優秀という、これまた現代女性から共感性の高いキャラクターを演じる。家政夫役の大森南朋との掛け合いのかわいらしさも相まって、改めて多部の魅力が大きく伝わる作品となった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる