朝ドラ『ブギウギ』三者三様の個性が光る子役たち 鈴子をフォローするタイ子の熱い言葉も
ある日、鈴子はツヤに弁当を2つ作ってほしいとお願いする。もちろん、それは一人で貧しい食事をしていた辰美へ渡すためのものだ。義理と人情を大切にする鈴子らしい思いやりである。しかし、鈴子の思いやりは辰美にあっけなく拒否されてしまう。鈴子は「またやってもたわ……」と自らの行いを後悔するが、鈴子から話を聞いた幼なじみのタイ子は「そやけどな、いつか鈴ちゃんの余計なお世話が人を助ける時が来ると思うわ」と鈴子を励ます。タイ子からのその一言はきっと鈴子を後押ししたはずだ。
USKでは幕あいのレビューを鈴子たち研究生が上級生たちの衣装の準備やメイクの手伝いを担当することになった。鈴子は憧れの大和礼子(蒼井優)を目の前に興味津々。全てが順調に行くかと思いきや、幸子がアオイの衣装の羽を忘れてきてしまったというのだ。幸子の大失態によってアオイは羽を身に着けずにステージに立つことになったが、毅然とした態度で踊るアオイはさすがトップスターだ。終演後、3人はアオイに謝罪をしに行くが、アオイは「ミスは全員の責任や」と連帯責任を指示する。
しかし、どこかのんびりとしている幸子と真面目でしっかり者の辰美が対立してしまう。幸子の誠意のない謝罪にイライラを爆発させる辰美に対して、幸子は溜飲を下げるかのようにこれまでの不満をぶちまける。そんな2人の様子を見た林の表情は何やらこの機会を待ち望んでいたかのようだ。それにしても、辰美役の木村湖音と幸子役の小南希良梨が感情をぶつけ合うシーンはお見事と言うほかない。それぞれの役が抱えている背景をきっちり理解した上で、演技に落とし込んでいるのが伝わってくる迫真の演技だった。
3人に必要なのはお互いを理解すること。鈴子たちはお互いを認め合い、協力することができるのだろうか。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK