『悪い子バビー』“バビーに学ぶ”特別映像公開 石野卓球、鈴木杏らの絶賛コメントも

『悪い子バビー』“バビーに学ぶ”特別映像

 10月20日に公開される映画『悪い子バビー』の特別映像が公開され、各界の著名人より絶賛コメントが寄せられた。

 ヴェネチア国際映画祭に出品され審査員特別賞ほか全3部門を受賞した本作は、その評判から20カ国以上で上映され、ノルウェーでは年間興行収入第2位にランクインするヒットを記録。日本では『アブノーマル』というタイトルでVHSが発売されていたのみで、今回が日本初公開となる。

 「ドアの外に出れば、汚染された空気の猛毒で命を落とす」。そんな母親の教えを信じ、35年間、暗く汚い部屋に閉じ込められていたバビー。身の回りのすべてを母親が管理し、ただそれに従うだけの日々を送っていた。ある日、何の前触れもなく“父親”だと名乗る男が帰ってきたことをきっかけに、バビーの人生は動き出す。言葉、音楽、暴力、宗教、美味しいピザ……刺激に満ち溢れた外の世界に、純粋無垢なバビーが大暴走。行く先々で出会う誰もが彼の自由で荒々しいスタイルに巻き込まれていく。

 監督を務めたのは、オランダ生まれオーストラリア育ちのロルフ・デ・ヒーア。監督が脚本完成までに10年以上の年月を要した本作は、バビーが生まれて初めて触れる世界を観客もそのまま体験できるように、撮影監督が合計32名が代わるがわる参加して撮影された。そして、「バイノーラルサウンド録音」で耳を刺激する音をリアルに再現している。

『悪い子バビー』特別映像

  公開されたのは、「バビーに学ぶ!サバイバル講座」と題された特別映像。バビーが自ら切った髪の毛をつけ髭へと代用して身だしなみを整えたり、マダムの真似をしてチョコ・エクレアを注文する様子、街にいる人々や犬のモノマネをする姿、突然女性を口説き、さらにはバンドに急遽加入してパフォーマンスをする姿などが映し出されている。

 あわせて公開された著名人コメントは6名。さらに漫画家の大橋裕之からは特別イラストが寄せられている。

コメント

石野卓球(電気グルーヴ)

久しぶりに衝撃を受けました! すごいものを観た。強烈で美しい。

鈴木杏(俳優)

バビーが間違えるのは、世の中に歪みがあるから。
目を背けたくなる、胸が潰されそうになるその歪みの中でも
「愛すること」を手放さないバビーの姿は、世界をかえる可能性に満ち満ちていた。
だから私はバビーのことを「悪い子」とは言えない。

春日武彦(精神科医/作家)

この世は空っぽで、模倣と反復だけで成り立っている。
善も悪も、少しずつ形を変えながら、ただ冷たい壁に延々と反響しているだけ。
そんな事実を異常な物語によって見せつけてくれる。
ハッピーエンドなわけがないだろ、涙腺が決壊しそうだ。

小島秀夫(ゲームクリエイター)

危ないところだった。この映画を知らずに、一生を終えていたかも知れない。
こんなにも危険で無邪気な、無垢で奔放な、最後には感動するBAD映画があったろうか。
僕もバビーのおかげで、外の世界に出られた気がする。ほんと“悪い子”だ、バビー。
30年ぶりの日本劇場初公開、ありがとう。

樋口毅宏(ハードボイルド育児作家)

『悪い子バビー』は、ありのままのあなたを承認する。
親から愛されなかった子どもたちのために、
これからも時を超えてバビーの神話は語り継がれていくに違いない。
ラストシーンに、涙でスクリーンが霞んだ。

森直人(映画評論家)

「すべてのタブー」を踏み越えた真実—
ジョン・ウォーターズやファレリー兄弟すら届かなかった境地にタッチした奇跡の一本。
この異形にして破格の大傑作の凄さを、いまどう伝えればいいのだろう。

大橋裕之(漫画家)/イラスト

■公開情報
『悪い子バビー』
10月20日(金)より、新宿武蔵野館ほかにて全国順次ロードショー
監督・脚本:ロルフ・デ・ヒーア
出演:ニコラス・ホープ、クレア・ベニート、ラルフ・コッテリル、カーメル・ジョンソン
製作:ドメニコ・プロカッチ、ジョルジオ・ドラスコヴィック、ロルフ・デ・ヒーア
撮影監修:イアン・ジョーンズ
編集:スレーシュ・エイアー
音響デザイン:ジェイムス・カーリー
音楽:グレアム・ターディフ
提供:キングレコード+ハピネット・メディアマーケティング
配給:コピアポア・フィルム
1993年/オーストラリア=イタリア合作/114分/カラー/スコープ/原題:Bad Boy Bubby/R-18+
©1993 [AFFC/Bubby Productions/Fandango]
公式サイト:badboy-bubby2023.com

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