『還魂』だけじゃない! 役者道を進むライジングスター、ファン・ミンヒョンが放つ輝き

ファン・ミンヒョンは『還魂』だけじゃない

 ボーイズグループNU'EST、Wanna One出身のファン・ミンヒョンと、子役から活動しているキム・ソヒョンが主演を務めるドラマ『無駄なウソ-誰にも言えない秘密-』が現在、U-NEXTで配信されている。ある理由のため世間から正体を隠し、ひっそりと暮らしている天才作曲家キム・ドハ(ファン・ミンヒョン)が、人の嘘を見抜く力のあるライアーハンターのモク・ソルヒ(キム・ソヒョン)と出会い、やがてお互いの秘密を打ち明け、抱えていた問題を解決しようと立ち向かっていく姿が描かれる。

 『無駄なウソ-誰にも言えない秘密-』では、影のあるドハ役を好演しているミンヒョン。一方、特殊な能力を持つソルヒ役のキム・ソヒョンといえば、好評だった王宮ロマンス『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』の活発女子や、『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』で後にトッケビになる高麗時代のキム・シン(コン・ユ)の妹の王妃役も印象に残っている。そんな芸歴の長いソヒョンとのラブストーリーは、ミンヒョンにとっても、意義深いものになりそうだ。

 あらためてミンヒョンの活動を振り返ってみよう。そもそもは2012年3月にNU'ESTのリードボーカルとして歌手デビューしたことから、芸能活動がスタートしたミンヒョン。現在はHYBEの傘下となり、日本でも注目されている後輩グループSEVENTEENも所属するPLEDIS ENTERTAINMENTより、先輩ガールズグループAFTERSCHOOLの背中を見ながら、NU'ESTは韓国のみならず日本でも精力的に活動。しかし、思うように大ヒット作を出せずにグループ活動が低迷し、苦渋の末に活動休止を決断する。

 起死回生を誓ったミンヒョンと数名のメンバーは、公開オーディション番組『PRODUCE 101』シーズン2に出演。結果、ミンヒョンのみが合格し、Wanna Oneのメンバーとして期間限定で活動を、それ以外のメンバーはNU'EST Wとして活動をしてどちらもおおいに成果を上げた。Wanna One終了後、ミンヒョンはNU'ESTに復帰して5人で再スタートを切るも、歌手デビューから10年となる2022年3月にベストアルバム『Needle & Bubble』をリリースし、グループ活動の幕を下ろした。以降、ミンヒョンは俳優活動に重きを置くようになる。

 K-POPが好きな人はミンヒョンの歌手活動を知っていただろうが、そうではない場合、日本では2022年のヒットドラマ『還魂』で彼の存在に着目し始めたという人は多い。その透明感のあるルックスからは、実は売れない時代を何年も経験した苦労を感じさせない爽やかさがあるが、曲がりくねった道を必死で駆け抜け、役者道という新しい表現の世界で羽ばたこうとしている。

 そんなミンヒョンの映画デビューは、2016年の日本映画『知らない、ふたり』。今年公開の映画『ちひろさん』や『アンダーカレント』の今泉力哉監督による恋愛群像劇だ。

 日本映画『知らない、ふたり』では、お互いの想いを知らない日本人と韓国人の男女7人が織り成す恋心をあたたかく綴っている。同作はミンヒョンだけではなく、NU'ESTのメンバー5人全員が登場し、グループにとっての映画初出演作であり、主題歌も担当。ミンヒョンとJRはメインキャスト、レンは主人公、アロンとべクホもカメオ出演と、NU'ESTのメンバーそれぞれが演技に奮闘し、初々しさを感じさせる。

『知らない、ふたり』©2015 NIKKATSU, So-net Entertainment, Ariola Japan

 同作でミンヒョンは靴屋の日本人スタッフに恋をするナム・サンス役を演じており、コンビニエンスストアのスタッフとして働いたり、通っている日本語学校講師役の木南晴夏にラブレターの書き方を教わったり、ナチュラルに日本語を話したり、とにかく見せ場が多い。ミンヒョンはさらに、キスシーンにも初挑戦し、純粋なサンスそのままに、とまどう姿も新鮮だった。

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