宝塚歌劇団と映画は相性抜群!? インド映画『RRR』舞台化への注目ポイント

宝塚歌劇団と映画の相性の良さを考察

時代の変化とともに繰り返される宝塚の新たな挑戦

 1913年に宝塚唱歌隊としてスタートした宝塚歌劇は2024年110周年を迎える。現代社会には劇団やアイドルグループが多く存在しているため女性が舞台人になるための門戸は多く設けられているし、ファンは豊富な選択肢の中から“推し”を見つけることができる。そうした中でも宝塚音楽学校の受験倍率は例年20倍を超えているし、多くの公演においてチケットは争奪戦だ。宝塚には校訓「清く正しく美しく」など独自の伝統があり、多様化する時代においてもそうした伝統を守り続けたいと考えるジェンヌやファンは多い。

 とはいえ、エンタメ業界や出版業界では毎年のように話題作・人気作は生まれているし、宝塚ファンのニーズも時代とともに少なからず変化している。そうした中で、宝塚は話題作・人気作の舞台化をこれまでにも行ってきた。例えば、2009年から2010年には花組が人気ドラマシリーズ『相棒』を舞台化している。その他にも、『逆転裁判』シリーズ(2009年、2013年、2023年上演)や『オーシャンズ11』(2011年、2013年、2019年上演)、『メイちゃんの執事-私(わたくし)の命に代えてお守りします-』(2011年上演)、『ルパン三世―王妃の首飾りを追え!―』(2015年上演)、『るろうに剣心』(2016年上演)、『カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~』(2023年上演)なども興味深い。また、2024年には大人気ゲームシリーズの『FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジー16)』が宙組によって上演される予定だ。

 宝塚について『ベルサイユのばら』のイメージが強い人は多いかもしれない。また、『風と共に去りぬ』や『ロミオとジュリエット』といった古典を主に舞台化しているといったイメージを抱く人もいるだろう。しかし実際は時代ごとに観客のニーズを汲み取り、幅広いジャンルの作品を舞台化してきているのだ。そして『RRR』の舞台化もその一つと言えるだろう。

新たなビームとラーマのコンビが東京都と兵庫県に登場

 宝塚版『RRR』ではビームを星組トップの礼真琴が演じる。男役でありながらもキュートな顔立ちの礼は宝塚歌劇団の95期生として首席で入団するなど、当初から一目置かれる存在であった。彼女は『ガイズ&ドールズ』、『1789 -バスティーユの恋人たち-』といった宝塚の王道ともいえる演目にいくつも出演しているほか、『オーシャンズ11』、『メイちゃんの執事』といった現代の人気作にもチャレンジしている。

 ラーマについては暁千星が演じるのではないかと、多くの宝塚ファンが予想している。暁は宝塚歌劇団に首席入団しており、高身長でありながらかわいらしい雰囲気もある。また、幼い頃からバレエを習っていた彼女はダンスの実力も高く評価されているため、「ナートゥ・ナートゥ」を踊るシーンなども安心して任せられるだろう。

 公開から1年近く経った今でも『RRR』は多くの映画館で上映されているが、宝塚版ではどのようなラーマとビームのコンビが誕生するのだろうか。

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