『18/40』“名もなき関係性”を築いた有栖と瞳子に変化? 最も大きな転機を迎えた祐馬

『18/40』有栖と瞳子に変化?

 一方で、年齢を重ねていても大人になりきれていない人もいる。今回の話でいえば、瞳子が勤める会社の社長・黒澤祐一(髙嶋政宏)がそうだ。息子の祐馬(鈴鹿央士)を自分の会社に就職させ、自分が決めた婚約者・綾香(嵐莉菜)と結婚させる。そんな自分の敷いたレールに押し込もうと必死な様子は、ワガママが通らずに駄々をこねる子どものようだ。

 祐馬が有栖に想いを寄せていることを知るやいなや、瞳子に「うちの息子と仲川有栖を付き合わせるな」と不機嫌にぶちまける。これには瞳子が「息子さんの覚悟、尊重してみてはいかがでしょうか」とピシャリと言い切る姿には胸がすく思いがした。社長と社員という立場的には意見をするのが難しい関係性。それでも、大切なもののために言わなければならないときには、どんなにリスクがあろうとも言い切る。それも大人でなければできないことだ。

 これまで誰にも恋愛感情を抱いたことがない、と有栖や世奈にカミングアウトした留依もそうだ。引かれるかもしれないと怯えながらも、この友情を大切に思っているからこそ、ちゃんと知っておいてほしいと願う。その葛藤と勇気が伝わってくるシーンだった。「もっと話して」「もっと留依のことが知りたい」と留依の心を尊重した有栖と世奈も、また少し大人になったように思う。

 そして今、最も大きな転機を迎えているのが祐馬だ。海のことも含めて覚悟を決めた有栖への愛の告白は破れ、バックダンサーオーディションには落ち、踏んだり蹴ったりな状況。「オーディションに落ちたら夢を諦めろ」と父親の祐一に言われていただけに、どうやらスーツを着て就職することになりそうだ。ダンサーの夢も有栖への想いも断ち切ることが、彼を大人にするのか。それとも……!?

 有栖と瞳子。友達になるよりもずっと偶然と縁が重なって、名もなき関係性を築くことができた2人。気づけば周囲の人たちも巻き込みながら、支え合って大人になっていったが、そんな同居生活にもまた変化が起こりそうだ。有栖はもう一度キュレーターになる夢を追いかけ、瞳子は加瀬との結婚を見据えて不妊治療を検討する。次週より最終章に突入する『エイフォー』。有栖の隣にはまた屈託のない笑顔で元気づけてくれる祐馬が、そして瞳子には新たな生命が授かる未来が待っていることを期待してやまない。

■放送情報
火曜ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜22:57放送
出演:福原遥、深田恭子、鈴鹿央士、上杉柊平、出口夏希、長澤樹、八木勇征(FANTASTICS)、嵐莉菜、シルビア・グラブ、髙嶋政宏、美村里江、松本若菜、片平なぎさ、安田顕
脚本:龍居由佳里、木村涼子
プロデューサー:韓哲、荒木沙耶、内川祐紀
演出:福田亮介、松木彩、宮﨑萌加
音楽:吉俣良
主題歌:Ado「向日葵」(ユニバーサル ミュージック)
製作著作:TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/1840_tbs/
公式X(旧Twitter):@1840_tbs
公式Instagram:1840_tbs

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