『VIVANT』ラスト5分の衝撃 ついに“乃木”堺雅人が“ノコル”二宮和也と接触
野崎は乃木と薫(二階堂ふみ)の関係が進展していることを把握済みのようで、乃木に恋愛指南をしたりする。野崎が語ったかつての後輩エージェントとの逸話は、男同士の友情を超えた特別なものだ。一方の乃木も野崎を「鶏群の一鶴」「眼光紙背に徹す」と言い、公安という組織で真実を見抜く人間であると評価しており、2人の間に立場を超えた絆があることを示唆していた。ちなみに野崎がジャミーン(Nandin-Erdene Khongorzul)へのお見舞いに持ってきた『ハリー・ポッター』のDVDと、乃木が商談に行くと言ったスネイプ社の名称から、二重スパイの含意を読み解く指摘もあった。
諜報や破壊工作メインの本作において恋愛描写はわずかだが、その例外が第7話である。薫を自宅に誘い、食事を共にした2人は朝を迎える。乃木と薫に野崎を加えた3人は疑似恋愛の三角関係のようで、サスペンスとスリルの真ん中にある人間ドラマが垣間見えた。
これまでにザイール(Erkhembayar Ganbold)、アリ(山中崇)など末端の幹部とのやり取りはあったが、第7話では、テントの本体と言えるベキの側近ノコルに接触することに成功した。そこに至る別班と公安の化かし合いや、秘密裏にミッションを遂行する別班チームの雄姿はぜひ本編で確認してほしい。
何度か出てきたベキこと若き日の乃木卓(林遣都)と妻の明美(高梨臨)が助けを求める中、ヘリコプターが飛び去る幼少期の乃木の回想シーンは、ベキが日本を恨むきっかけになった事件と思われ、ベキの動機を知ることは乃木の任務遂行の上で有益である。それでも、目的のために自分を殺せる乃木があえて私情に走った理由は想像する以外ない。生きていた(vivant)兄と弟の対面に続いて、父子の対峙が実現する中でその感情は奔出するだろうか。
■放送情報
日曜劇場『VIVANT』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、迫田孝也、飯沼愛、山中崇、河内大和、馬場徹、Barslkhagva Batbold、Tsaschikher Khatanzorig、Nandin-Erdene Khongorzul、渡辺邦斗、古屋呂敏、内野謙太、富栄ドラム、林原めぐみ(声の出演)、二宮和也、櫻井海音、Martin Starr、Erkhembayar Ganbold、真凛、水谷果穂、井上順、林遣都、高梨臨、林泰文、吉原光夫、内村遥、井上肇、市川猿弥、市川笑三郎、平山祐介、珠城りょう、西山潤、檀れい、濱田岳、坂東彌十郎、橋本さとし、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李、役所広司
プロデューサー:飯田和孝、大形美佑葵、橋爪佳織
原作・演出:福澤克雄
演出:宮崎陽平、加藤亜季子
脚本:八津弘幸、李正美、宮本勇人、山本奈奈
音楽:千住明
製作著作:TBS
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