『ノキドア』他人事とは思えない優花の悩み ほろ苦くて切ない倒理と氷雨のすれ違いも

『ノキドア』倒理と氷雨のすれ違い

 思い返せば10代の頃は、とにかく友達の“数”にこだわっていたような気がする。アドレス帳の友達の数や、SNSで相互フォローをしている人数。とにかくたくさんの人とつながっていたくて、もがいていた。

 そんな時代があったからこそ、高橋優花(藤野涼子)の悩みが、どうしても他人事とは思えなかったのだ。

※以下、『ノッキンオン・ロックドドア』第5話のネタバレを含みます

 友人の潮路岬の行方を探してほしいと、御殿場倒理(松村北斗)&片無氷雨(西畑大吾)に依頼をしてきた優花。岬がこつ然と姿を消した線路下の地下道路が犯罪多発地点だったため、倒理と氷雨は事件性がある可能性を加味して、捜査を進めていた。

 しかし、『ノッキンオン・ロックドドア』(テレビ朝日系)第5話では、すべてが覆る事態に。なんと依頼をしてきた優花こそが、潮路岬本人だったのだ。“岬はメイクが上手”など、ヒントは散りばめられていたが、まさか本人だとは……。

ノッキンオン・ロックドドア

 優花がこんなに奇妙な依頼をしたのは、“自分が人からどう見られているのか知りたかった”から。大人からすると、「そんなの知らない方がいいって!」とツッコミを入れたくなってしまう。でも、学生時代を思い出してみてほしい。あの頃は、いつもまわりの目を気にしていなかっただろうか。

 “真似っこ”と思われるのが嫌で、友達と同じものは買いたくない。でも、“変わってる”と思われるのも嫌だから、つい無難なアイテムを選んでしまう。「実はこっちの方が好きなんだけどなぁ」なんて思いながら。

 優花も、まわりから“ふつう”と思われるのが嫌だと言いながら、実際はみんなと足並みをそろえて生きてきたのではないだろうか。きっと、優花が苛立っている相手は、自分のことを“ふつう”と言ってくる友達じゃない。“ふつう”じゃない部分をさらけ出すのが怖い、臆病な自分にモヤッとしていたのだと思う。

ノッキンオン・ロックドドア

 でも、倒理が言っていたように、「本当の自分なんていうのは、気付いてくれる人間が少なければ少ない方がいい」と思える瞬間がきっとくる。大事なのは、友達の“数”より“質”。多くの人に、自分を理解してもらう必要はない。たったひとりでも、「あなたはこういうところがあるよね」と分かってくれる人がいればいい。

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